バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

アーノンクールが奏でるJ.S.バッハ「管弦楽組曲第1番ハ長調」

 12月6日はニコラウス・アーノンクールの誕生日だ。1929年生まれだから今年85歳。公式サイトを見るとコンサートの回数がずいぶんと減ってきているが、来年はコンツェントゥスとベートーヴェンの「運命」や「ミサ・ソレムニス」をやるようだ。ここのところ、年に数回コンツェントゥスとベートーヴェンを演奏しており、録音物でもよいのでいつかその演奏を聴く機会があればと願っている。

 YouTubeを眺めていたらアーノンクールとコンツェントゥスによるJ.S.バッハ管弦楽組曲」全4曲がアップロードされていた。もう何年も聴いてない演奏なので「BGMとして流しておこうか」くらいの気持ちでつけておいたら、いつの間にか真剣に聴いている自分に気がついた。

 全体的にテンポが遅めだったり、8分音符を16分音符に、あるいは連続する16分音符を32分音符にしたりと、時代を感じさせるものではある。特に、第1番ハ長調BWV1066は「詩的」に、どこまでも穏やかな外見が保たれているにもかかわらず言いたいことははっきりと言っているので、かなり特徴的な演奏と言えるだろう。しかし、どこまでも「音の形を紡ぎ出す」という姿勢を貫いた時に聴こえてくる作品の姿は、これまで自分が信じ、目指してきた道の向こうに見てきたものであった。
 今、くにたちバロックアンサンブルでは来年の演奏会へ向け、ヘンデルやヘレンダール、ジェミニアーニ、ヴィヴァルディの作品を練習している最中だ。来年の演奏会では、音楽をテンポで追い詰めるのではなく、音の形を積み重ねることで何かを語るような、そんな演奏をしてみたい。