バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 エルガー「交響曲第1番」

 エドワード・エルガー(Edward William Elgar, 1857-1934)の交響曲に関心を持ったのは、25年前にイェフディ・メニューイン(Yehudi Menuhin, 1916-1999)が新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した第148回定期演奏会(1987年3月12日、東京文化会館)で第1番を聴いたのがきっかけ。第1楽章の冒頭、有名なテーマがフォルテになるところで、新日フィルがまさにイギリスのオーケストラの音で鳴り響いた。あの夜東京文化会館にいた人達は、その驚きと感動が演奏の終わるまで途絶えることがなかったのではないか。演奏終了後、満場の喝采は鳴り止むことなく、決してメジャーとは言えない作品と演奏者たちに惜しみない拍手が捧げられた。メニューインの指揮振りは小澤征爾氏のそれとは違ってしなやかでもなんでもなく、なぜあのような音が突然鳴り響いたのか謎だが、我々が音楽というものから離れられず、いつまでも演奏し続ける理由は案外そんなミステリアスなところにあるんじゃないかな。知らないけど。
 YouTube観てたら、ブライデン・トムソン(Bryden Thomson, 1928-1991)が指揮した第1交響曲の演奏を発見。彼が描く心象風景の広大さにはただ圧倒されるばかりだ。気品のあるフォルテも立派だが、弱音で奏されるところの繊細さも同じように素晴らしい。エルガーのシンフォニーはこうでなくちゃね。