バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

ハイモヴィッツがチェロで奏でるジミ・ヘンドリックス「星条旗」の響き

マット・ハイモヴィッツ(Matt Haimovitz)の新しい3枚組のアルバムがNMLで公開されたので聴いてみた。今回のアルバムには「軌道〜現代チェロ独奏作品集1945〜2014」というタイトルが付けられている。 タイトル通り、このアルバムに収録されているのは1945年…

フランシス・モンクマンが奏でるラモー

うちでは、朝6時から始まるNHK-FM「古楽の楽しみ」が目覚まし時計の代わりだ。先週は「ラモーの鍵盤音楽を中心に」という特集で、1月14日にはスコット・ロスやオリヴィエ・ボーモンの演奏に混じって、スカイ(Sky)の初代キーボード奏者フランシス・モンクマ…

楽器の未来、音楽の未来

少し前に、WIRED.jpで未来の楽器というのが話題になっていて、おもしろそうなので見に行ってみた。 ダ・ヴィンチが発明した16世紀の楽器、現代のクリエイター13人が考えた23世紀の楽器〔WIRED.jp - 2014年12月22日〕http://wired.jp/2014/12/22/future-instr…

ヘレヴェッヘがモダン・オーケストラと奏でるシューマン「交響曲第4番ニ短調」

かつてエリアフ・インバルがマーラーやブルックナーの交響曲全集を録音した際のパートナー、フランクフルト放送交響楽団は、2005年以降「hr交響楽団 hr-Sinfonieorchester」という名称になっている。以前ジャン=クリストフ・スピノジやエマニュエル・アイム…

アーノンクールが奏でるJ.S.バッハ「管弦楽組曲第1番ハ長調」

12月6日はニコラウス・アーノンクールの誕生日だ。1929年生まれだから今年85歳。公式サイトを見るとコンサートの回数がずいぶんと減ってきているが、来年はコンツェントゥスとベートーヴェンの「運命」や「ミサ・ソレムニス」をやるようだ。ここのところ、年…

ヴィヴァルディ「弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV110」

今年の3月にエントリーをしたためたヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」だが、くにバロの第12回演奏会でこの作品を演奏することが決まった。 ヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」 - バシッといこう…

スヴェトラーノフとNHK交響楽団が奏でるカリンニコフ「交響曲第1番 ト短調」

NHK交響楽団を鳴らすことにかけて、エフゲニー・スヴェトラーノフ(Svetlanov Evgeny, 1928-2002)以上に長けた指揮者はいなかった。中でも彼がN響を指揮したヴァシリー・カリンニコフ(Vasily Sergeyevich Kalinnikov, 1866-1901)の「交響曲第1番 ト短調」…

 エドワードごっこ

うちには猫が2匹いて、まぁあたりまえだが、それぞれに名前がついている。最近、その2匹にあだ名をつけて呼んでみたら、会話が弾むようになった片方から「みゃあ」だの「むぁ〜」という反応が返ってくるようになった。言っていることがわかるわけではないの…

 すちゃらかルーヴァン道中記(その4・さいご)

Flickrにベルギー出張の際に撮った写真をアップ。今回は全部で90枚くらいになってしまったので、5つのアルバムに分割してみた。 すちゃらかルーヴァン道中記 25th EAJRS conferenceの会場 ルーヴァン大学中央図書館 Maurits Sabbe Library見学会 王立美術・…

 クリストファー・ホグウッド追悼

2014年9月24日、クリストファー・ホグウッド(Christopher Hogwood, 1941-2014)が73歳で亡くなった。この7月に病気のためとして東京都交響楽団の11月定期をキャンセルしていたが、まさかこういうことになるとは。 Death of Christopher Hogwood〔Christoper…

 すちゃらかルーヴァン道中記(その3)

ルーヴァンの最終日、9月21日。まさかの雨。正確には、朝飯を食べ終わったときにはやんでいたのだが、チェックアウトする8時40分頃には遠慮無しにザバザバと降っている。駅まで歩くと20分くらいかかるので、バスに乗ろうとバス停まで行くと、電光掲示板にル…

 すちゃらかルーヴァン道中記(その2)

いきなりEAJRS(日本資料専門家欧州協会)最終日の9月20日(土)。会合が全て終わり、遠足の集合時間まで2時間ほどあるので、ルーヴァン大学中央図書館のまわりでぶらぶら。日本では全然見ることのなくなったCD屋があったので、店の様子をじっくり見る。クラ…

 すちゃらかルーヴァン道中記(その1)

9月16日に成田を発ち、ヘルシンキ空港でトランジット、その日のうちにブリュッセル国際空港から無事ルーヴァンのホテルに到着。成田からはJALで機体は787-8。エコノミークラスにしてはシートがゆったり気味で、気流の悪いところ以外は全然揺れなかった。食事…

 会話とコミュニケーション

うちには猫が2匹いて、最近そのうちの1匹と会話をかわすことが多くなった。会話と言っても、「ニャー」と言ったら「ニャー」と言い返す。「むぁ〜」と言ったら「むぁ〜」と言い返す、という程度のことなんだが、このピンポンのようなやりとりの回数が、ある…

 ジェミニアーニ「合奏協奏曲 第10番 ヘ長調」(コレッリ「ヴァイオリン・ソナタ」作品5-10による)について

くにたちバロックアンサンブルの第12回演奏会へ向けての活動が始動している。今のところ、演奏曲目としてヘレンダール、ヘンデル、ジェミニアーニという人たちの作品が決まっている。ヘレンダールはオランダ出身、ヘンデルはドイツ、ジェミニアーニはイタリ…

 フランス・ブリュッヘン追悼

2014年8月13日、フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen, 1934-2014)がアムステルダムの自宅で亡くなった。8月13日というのは、山田一雄の命日と同じ日なのだそうだ。生まれ月も同じ10月、ヤマカズの享年は78歳だったがブリュッヘンは79歳。 世界的指揮者 …

 エミリー・オータムが奏でるロナーティ「チャッコーナ」の響き

ゴスロリ・ファッションでエレクトリック・ヴァイオリンを弾きまくっているのは、先週フェイスブックで話題になってたエミリー・オータム(Emilie Autumn)。J.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」のアルマンドで始め、バロック風のモチーフ…

 フライブルク・バロック・オーケストラが奏でるコレッリ「クリスマス協奏曲」の響き

今日から3連休。くにバロの練習で使うヘレンダールのパート譜の準備というのが連休中の宿題だ。18世紀に出版されたパート譜には小節数が振られていないので、まずはその書き込み。それからスコアと照合して間違い探しなどをしながら、フレージングなどを書き…

 ヘレンダール「グランド・コンチェルト」全6曲制覇へ向けて

くにたちバロックアンサンブルの第11回演奏会が無事終わり、少しは暇になるかと思ったら全然そんなことはなくて、6月29日から、来年の演奏会へ向けて恒例の選曲大会が始まった。第1回目の選曲大会では、ヘンデルやらジェミニアーニやらを試奏してみたが、ヘ…

 くにたちバロックアンサンブル第11回演奏会を終えて

先週の土曜日、2014年6月21日に三鷹市芸術文化センター「風のホール」で「くにたちバロックアンサンブル第11回演奏会」を開催しました。梅雨だというのに天候が崩れることもなく、これまでで一番多くのお客様(たぶん250名くらい)にご来場いただきました。…

 ArParlaが奏でるムファット「ヴァイオリン・ソナタ」の響き

ゲオルク・ムファット(ムッファト)(Georg Muffat, 1653-1704)のヴァイオリン・ソナタは、彼の作品の中で、唯一自筆譜が残されているものなのだそうだ。冒頭のテーマが最後に戻ってくる“アーチ型”とも言えるその構成は「調和の霊感」のパッサガーリャと同…

 フランク「ヴァイオリン・ソナタ」をオーケストラ伴奏で

「フランクのそーなたー、フランクのそーなたー。いいね〜、いいわ〜、ティボーとコールトー。おしゃれーな、おしゃれーな、ティボーとコールトー。」というメロディーで始まるセザール・フランクの「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」。そのピアノ・パートをオ…

 デンマーク弦楽四重奏団が奏でるベートーヴェンの響き

自分の中で超話題のデンマーク弦楽四重奏団(Den Danske Strygekvartet)。YouTubeにベートーヴェン「弦楽四重奏曲第12番変ホ長調Op.127」のヴィデオがあったので観てみたら充実度が凄かった。いきなりノン・ヴィブラートで鳴らされる和音の力強さにノックア…

 コンチェルト・ケルンのヘンデル、バッハ、ヴィヴァルディそしてジェミニアーニ(2014年5月31日、風のホール)

今年2月のフライブルク・バロック・オーケストラに引き続き、同じ「風のホール」でコンチェルト・ケルンを聴いた。くにバロでは第1回(2004年)と第5回(2008年)の自主演奏会でフランチェスコ・ドゥランテ(Francesco Durante, 1684-1755)「弦楽のための協…

 デンマーク弦楽四重奏団が奏でるノルディックな民謡の響き

NMLで久々の大発見。デンマーク弦楽四重奏団が弾く北欧民謡のアルバムが素晴らしい。 Wood Works (8.226081) - Dacapo Recordshttp://www.dacapo-records.dk/en/recording-wood-works--the-danish-string-quartet.aspx 全13曲の中にはタートル・アイランド・…

 日々雑感

中野の裏通りを歩いていて考えた。街を歩くと何人もの人たちとすれ違う。これまでどれくらいの人たちとすれ違ってきたのかはわからないが、ふと気がつくと、自分よりも年上だなと感じる人の方が少なくなってきている。なんてゆーか、寄る年波というのは、そ…

 ご〜るでんだけど仕事が好き

出勤日が火曜から土曜というシフトのおかげで、ありがたいことに3連休。しかし、家にいるわりにはやるべきことが多く、今は、くにバロの楽譜書きと実家のCD整理が主な業務となっている。楽譜書きは6月の演奏会のための通奏低音のリアリゼーション。もう本当…

 ゲーベルとベルリン・フィルによるヨハン・クリスティアン・バッハ

J.C. Bach: Overture to "Amadis" / Goebel ・ Berliner Philharmoniker - YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=s3cEWwCQY1g 2013年10月に行われたラインハルト・ゲーベルのベルリン・フィル・デビュー演奏会からヨハン・クリスティアン・バッハ(Johann…

 「古楽の楽しみ」の楽しみ

朝6時になると、目覚まし代わりにNHK-FMが鳴るようにしている。平日なら「古楽の楽しみ」でバロック音楽を聴くわけだが、土曜日は「現代の音楽」でドッカン・ガラガラ、日曜日は、というと「能楽鑑賞」で「いよ〜っ」とかいうのを聴くことになる。 もちろん…

 ヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」

とある事情から、ヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」について調べている。これは2本のトランペットのために書かれたオリジナルな作品で、その自筆譜はトリノ国立大学図書館(Biblioteca Nazionale Universitaria di Torino)の…