バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 アーノンクールが指揮するスメタナ「わが祖国」 - その2

先月、アーノンクールロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団RCO)を指揮したスメタナ「わが祖国」のビデオについて書きましたが、今度は、YouTubeにヨーロッパ室内管弦楽(COE)との演奏がアップされているを発見しました。

RCOのビデオは2010年4月の演奏でしたが、このビデオはその2ヶ月後、シュティリアルテ音楽祭での演奏となります。ここではアーノンクールの作品に対するアプローチが若干変化し、ビデオを観る限りではずいぶんとダイナミックなものになっているように思いました。
というわけで、オーケストラで気がついたことをメモ。

  • 弦楽器のサイズはRCOが5名に対し、COEは3名とひとまわりくらい小さい。
  • 弦楽器の配置:COE、RCOとも、左からファースト・ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、セカンド・ヴァイオリン。チェロの後方にコントラバス
  • 木管の配置:COEは左から前列はフルート、オーボエ、後列はクラリネットファゴット。これに対しRCOの後列はファゴットクラリネットと低弦に近い方にファゴットが座っている。
  • COEのフルートは金管RCOのフルートは木管。また、COEのチューバは小型(フレンチ・チューバ?)のもの。
  • COEの演奏では、普通の打ち合せシンバルのほかに、「高い城」のモチーフが出現するところで大太鼓の上に固定したシンバルも使用。
  • トライアングルはこんな形。おしゃれ。
     
    トライアングル

アーノンクールとCOEの演奏は、最後の2つの和音を「バン/バン」と「豊かに」ではなくはっきり演奏し、曲の終わりを宣言するところに特徴があります。ウィーン・フィルとのCDやRCOとのビデオでは、「ズォン。。ズォン。。」と物語を柔らかく締めくくるように終わらせていたので、これは大きな違いです。
また、RCOとは「崇高な城を仰ぎ見るように演奏」していた「高い城」のモチーフも、ここでは力強い形で迫ってきます。管楽器に対して弦楽器の人数が少ないので、そう聞こえてしまうだけなのでしょうか?
 

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追記

リハーサルの様子を映したビデオを発見。やはりダイナミックな表現になるような指示を出していますね。