バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 東日本大震災と文化財レスキュー展

 東日本大震災で被災した博物館・図書館資料や公文書などの救済活動を紹介する展覧会「東日本大震災文化財レスキュー : 文化財を救え!」を見てきました。会期は2011年10月1日から10日まで、会場は、どういうわけだか代官山のおしゃれな「ヒルサイドフォーラム」。

 展示は大きく3つのエリアからなっていました。まず、9月29日まで遠野市立博物館で開催されていた同名の展覧会を再現するエリア。レスキューされた資料とともに、被災して原型をとどめなくなってしまった資料なども展示されており、震災による被害がどういうものか、ということを間近に見ることが出来ます。また、ここには産経新聞文化財救済の様子を撮影した写真パネルも展示されています。

 次に、ビデオ「文化と災害復興」を再生しているエリア。6分ほどのこのビデオは、2011年6月12日にあえりあ遠野「交流ホール」で開催された「『文化による復興支援』シンポジウム〜被災地の皆さんに元気を届けよう〜」で放映されたもの。ビデオには、被災した図書館の書庫から泥にまみれた資料を救い出す様子などが映し出されていました。

 最後に、産経新聞社のカメラマンが撮影した東日本大震災の様子を伝える写真展。ここには、地震直後の被災地の様子や、復旧・復興の過程を写した写真パネルが展示されていました。
 破損したもの、海水に浸かったもの、泥の中に埋まってしまったものなど、津波の被害にあった文化財は数知れません。この展覧会を見て、さまざまな資料たちを救出しようとする方々のご苦労は、私の想像をはるかに超えるものなのだということを実感しました。もしかしたら、この文章を書いている今この時間にも、修復の作業に携わっている方がいらっしゃるのかもしれませんね。
 今回の展示は、文化財レスキューという観点だけではなく、今日、明日の生活に不安を持って暮らしている方が数多くいらっしゃる中においても、「なぜ私たちは文化財を守り、保存し、次世代に引き継いでいかなければならないのか」という根本について深く考えさせるものだったように思います。
 一見の価値、大いにあり!
 
「東日本大震災と文化財レスキュー展」ポスター