バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ヴォーン=ウィリアムズ「Dark Pastoral」

 YouTubeでヴォーン=ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872-1958)を探していたら、オーケストラをバックにスティーヴン・イッサーリス(Steven Isserlis, 1959- )がソロを弾いているヴィデオを発見。「あれ、ヴォーン=ウィリアムズにチェロ協奏曲はないはずだが?」と思って聴いてみたら、未完で残されたコンチェルトの緩徐楽章を、BBCがデイヴィッド・マシューズ(David Matthews, 1943- )に委嘱して完成させたものだった。タイトルは「Dark Pastoral」と付けられている。

 2010年9月5日、1910年のプロムス・ラスト・ナイトを再現したプログラムの中での世界初演ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」第2楽章のふたつめのテーマみたいな音型で始まるところが微笑ましい。

 どの程度のスケッチが残されていたのかは分からないが、デイヴィッド・マシューズの補筆完成版はヴォーン=ウィリアムズの響きにかなり近いように感じる。チューバ協奏曲の第2楽章をチェロで弾いた「ロマンツァ」の世界に通じるところが多いように思うんだけど、どうだろうか。