明日という時間
よく知る家族の父君が亡くなられた。昨年11月に母君を亡くされたばかりだというのに。
ご両親にお目にかかったのは数えるほどだが、母君はふくよかで暖かい感じ、父君は少年のような目をして笑うのが印象的であったな。子供たちが結婚してからは、お二人だけで仲睦まじく穏やかな時を過ごされていたと聞く。
母君が亡くなられた後、父君は体調を崩し入院された。よほどショックだったのか、病院ではあまり食事を摂らず、薬を遠ざけることもあったそうな。それから施設に移り、気分や体調が徐々に回復しているということだったのだが、家族が知らない間に、本当にひっそりと息を引き取られたらしい。明日という時間を引き替えに、父君の魂は母君に手を引かれて空の向こうへと静かに渡り、永遠という時の中で共に過ごされるのであろう。
今はわからない、ほかの人にはわからない。
あまりにも早すぎたと、ただおもうだけ。
空の向こうで、また穏やかな時間を過ごしていただければと祈るばかり。そして、願わくば、地上にいる我が子や孫たちの暮らしを暖かく見守っていただければ、と。
合掌。