ヴィヴァルディ「弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV110」
今年の3月にエントリーをしたためたヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」だが、くにバロの第12回演奏会でこの作品を演奏することが決まった。
- ヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」 - バシッといこうぜぃ blog
http://d.hatena.ne.jp/pomz99/20140323/1395548031
先のエントリーからリンクを張った論文にもあるとおり、RV537の第3楽章は「弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV110」第1楽章の焼き直しであり、第2楽章はRV110の緩徐楽章をそのまま流用している。
- A. VIVALDI, Concerto for Strings and B.C. in C major RV 110, I Barocchisti - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=r_rjVRM1aWs
RV537はバルブのないナチュラル・トランペットのための協奏曲であるため、トランペットが演奏する間は、たまにト長調に移るくらいで、出来るだけハ長調に留まろうとしているように感じられる。最も頻繁に和音が変化する第3楽章の中間部(第58〜80小節)ではトランペットは黙ったままで、音楽は弦楽器に委ねられる。
- Concerto in C major for two trumpets RV 537: Allegro (third mvt.) by Vivaldi - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3x0TGV6rxI0
一方、この楽章の基となったRV110は「弦楽器のための」協奏曲なので、より広範囲に動き回っているのが興味深い。
- Concerto for Strings in C major, RV 110 (Vivaldi, Antonio) - IMSLP/ペトルッチ楽譜ライブラリー: パブリックドメインの無料楽譜
http://imslp.org/wiki/Concerto_for_Strings_in_C_major,_RV_110_(Vivaldi,_Antonio)
9月にこの曲を練習した際、和音を変え転調しながら同じモチーフを何度も繰り返すRV537の中間部が、何か別の作品で同じような体験をしたなと思った。その時は、どの曲に似ているのかわからなかったが、後でベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調」第1楽章の展開部に似ている箇所があったことを思い出した。ほんの一瞬だけど、下のヴィデオの45秒から1分くらいのところ。
- Beethoven: Symphony No. 8 / Abbado · Berliner Philharmoniker - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=f-BO2QBZymY
ヴィヴァルディのRV537は10分に満たない作品ではあるが、なかなか侮りがたい内容を持っている。次に音を出すのが楽しみになってきた。