バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

ヴィヴァルディ「弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV110」

 今年の3月にエントリーをしたためたヴィヴァルディ「2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537」だが、くにバロの第12回演奏会でこの作品を演奏することが決まった。

 先のエントリーからリンクを張った論文にもあるとおり、RV537の第3楽章は「弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV110」第1楽章の焼き直しであり、第2楽章はRV110の緩徐楽章をそのまま流用している。

 RV537はバルブのないナチュラル・トランペットのための協奏曲であるため、トランペットが演奏する間は、たまにト長調に移るくらいで、出来るだけハ長調に留まろうとしているように感じられる。最も頻繁に和音が変化する第3楽章の中間部(第58〜80小節)ではトランペットは黙ったままで、音楽は弦楽器に委ねられる。

 一方、この楽章の基となったRV110は「弦楽器のための」協奏曲なので、より広範囲に動き回っているのが興味深い。

 9月にこの曲を練習した際、和音を変え転調しながら同じモチーフを何度も繰り返すRV537の中間部が、何か別の作品で同じような体験をしたなと思った。その時は、どの曲に似ているのかわからなかったが、後でベートーヴェン交響曲第8番 ヘ長調」第1楽章の展開部に似ている箇所があったことを思い出した。ほんの一瞬だけど、下のヴィデオの45秒から1分くらいのところ。

 ヴィヴァルディのRV537は10分に満たない作品ではあるが、なかなか侮りがたい内容を持っている。次に音を出すのが楽しみになってきた。