バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 アーノンクールとベルリン・フィル

 ひとつ前のエントリーではコープマンがベルリン・フィルを指揮した際のオーケストラについて見てみましたが、2009年3月にニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)がベルリン・フィルハイドンのオペラ「騎士オルランド」を演奏した際にはどうだったでしょうか。

演奏者と曲目。

Berliner Philharmoniker
Nikolaus Harnoncourt Conductor
Kurt Streit Orlando
Jane Archibald Angelica
James Taylor Medoro
Jonathan Lemalu Rodomonte
Mojca Erdmann Eurilla
Markus Schafer Pasquale
Michelle Breedt Alcina
Paul O'Neill Licone
Markus Butter Caronte
 
Joseph Haydn
 Orlando Paladino (complete opera)
Berliner Philharmoniker: Programme details より転載)

  • 通奏低音用にチェンバロ(チェロの隣)とリュート(指揮者の前。もしかしてルカ・ピアンカ?)
  • 弦楽器の人数はファースト・ヴァイオリン12名、セカンド・ヴァイオリン10名、ヴィオラ8名、チェロ6名、コントラバス4名(コープマンの場合より一回り大きい)
  • 弦楽器の配置は左から順にファースト・ヴァイオリン、チェロ、コントラバスヴィオラ、セカンド・ヴァイオリン。いわゆる対向配置
  • 弦楽器のヴィブラートはやっぱり控えめ(のように見える)
  • フルートは金属。ティンパニも通常のもの
  • トランペット以外の管楽器は弦の後ろに一列に並んで座っている(コープマンがハイドンを指揮している時には前後2列。2列目は左から順にホルン・ファゴット・トランペット・ティンパニ

アーノンクールモーツァルトをはじめとする古典派の作品を演奏する際、1980年代から1990年代のある時期までは対向配置をとっていませんでした。1984年のウィーン・フィルとの演奏を見てみましょう。

 現在では、コンツェントゥス・ムジクス(Concentus Musicus, Wien)はもちろん、ウィーン・フィルやヨーロッパ室内管弦楽団(Chamber Orchestra of Europa)などのモダン・オーケストラで古典派以降の作品を演奏する場合にも対向配置をとるようです。

 コープマンがベルリン・フィルに客演した際の弦楽器の配置にはハイドンの前にバッハがあったこととも関係があるのかもしれませんが、1991年に日本でモーツァルトの交響曲全曲演奏会を行ったときも非対向配置だったことを思い起こさせます。