バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 モーリス・デュリュフレの「Ubi caritas」

この作品に出会ったのはいつの頃か、もうわからなくなってしまいました。モーリス・デュリュフレ(Maurice Duruflé, 1902-1986)の「グレゴリオ聖歌による4つのモテット(Quatre Motets sur des thèmes grégoriens)」の第1曲「慈しみと愛のあるところ」。

Ubi caritas et amor, Deus ibi est.慈しみと愛のあるところ、神はそこにおられる。)」。私はキリスト教の信者ではありませんが、この聖歌の歌詞には何かほっとするような安心感を抱きます。デュリュフレのスコアでは、聖歌の旋律に合わせ拍子がゆっくりと移ろってゆきますが、不思議なことに拍節が不安定であるような印象を受けることがありません。また、デュリュフレが付けた旋法的な和声も聴き手を暖かく包み込むような感じがして、一度聴いたら忘れることのできないものです。もっとも、18世紀の人たちが聴いたら「不協和音だらけ」と言って耳を塞ぐかもしれませんが。
「Ubi caritas」は洗足木曜日とも呼ばれる聖木曜日に歌われる聖歌です。YouTubeのヴィデオでは、ネウマ譜とともにオリジナルの聖歌を聴くことができます。

今年、2010年の復活祭は4月4日の日曜日。聖木曜日は4月1日、つまり来週の木曜日になります。