バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 くにたちバロックアンサンブル第8回演奏会 - 東日本大震災から100日目を迎えて

本日、三鷹市芸術文化センター「風のホール」で「くにたちバロックアンサンブル第8回演奏会」を開催いたしました。たくさんのお客様にお越しいただき、団員一同とても感謝しております。またエキストラや裏方としてお手伝いいただいた皆様、お忙しい中、本当にありがとうございました。
ホールの響きに助けられたせいか、演奏についてはおおむね好評のようで安心しております。一方で、チューニングや音程について厳しいご意見も頂戴しました。ありがたいことです。
さて、昨年同様、ヘレンダール「合奏協奏曲(グランド・コンチェルト)変ホ長調 作品3-4」を演奏する前に、簡単なスピーチをさせていただきました。その時の原稿を、記録としてここに掲載しておきたいと思います。

本日はお忙しい中、くにたちバロックアンサンブルの演奏会にお越しいただき、誠にありがとうございます。
これから最後の曲、ピーター・ヘレンダールのグランド・コンチェルトを演奏いたしますが、その前に簡単なご挨拶をさせていただきたいと思います。


今日6月18日は、東日本大震災の発生からちょうど100日目にあたります。おそらく私たちは、地震の起きた日のこと、東京の震度5強の大きな揺れ、何度もテレビで放映された津波の様子などを忘れることはないでしょう。


震災の5日前、3月6日の日曜日に私たちは西国分寺駅前のいずみホールというところで行われた市民文化祭で先程のコレッリを演奏しました。その時には、よもや数日後に大震災のような出来事が起きるとは思いもしませんでした。


震災後、最初の練習で音を出した時、我々は音楽を通してお互いの無事を確認し合いました。顔を合わせてほっとするよりも、もっと深いところでつながったような、そんな感覚でした。
そしてそれは、バロック音楽に限らず、音楽というものが持つ大きく不思議な力を実感した瞬間でもありました。


これから私たちはヘレンダールが作曲した変ホ長調の合奏協奏曲を演奏いたします。これは最後にパストラールの楽章を持つ「クリスマス協奏曲」と言ってもいいような内容の作品です。
特に、最初と最後の楽章は全ての人を包み込むような優しさにあふれていると言っても過言ではありません。


その優しさがこのホールにいる私たちの心をひとつにして、今も厳しい生活を続けていらっしゃる方々に、あるいは心ならずも天に召された方々の元に届きますように。我々は、そのことを祈りながら楽器を奏でてゆきたいと思っています。


どうぞ最後までお聴きください。

くにたちバロックアンサンブル第8回演奏会リハーサルより