バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 アーノンクールが指揮するスメタナ「わが祖国」のDVD

こんな日がくるとは思いませんでした。
昨年のシュティリアルテ音楽祭では、2010年6月25日から27日にかけてグラーツの Helmut-List-Halle でニコラウス・アーノンクールがヨーロッパ室内管弦楽団を指揮してスメタナ作曲「わが祖国」全曲を演奏するコンサートが行われていました。
このコンサートの録音は、日本では MUSIC BIRD の THE CLASSIC で、2010年10月23日に放送されていたのですが、うっかり聞き逃してしまいました。

その後2011年4月10日、YouTubeアーノンクールコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮して「わが祖国」を演奏したビデオが公開されました。「わが祖国」に関して言うと、アーノンクールのテンポは遅めであることが多いように思うのですが、このビデオを観ると、そのようなテンポの中でもオーケストラはヴィブラートを抑制し、淡々とチェコの風景を追うがごとくに演奏しているのがよくわかります。

YouTubeのコメントによると、この演奏会はアムステルダムのコンセルトヘボウで2010年4月28日に開催されたとありますが、オーケストラやアーノンクールの公式サイトによると「2010年4月18日」であることは間違いないようです。

このビデオがDVDかブルーレイ・ディスクとなればよいな、と思い続けていたのですが、今回、思いがけずシュティリアルテ音楽祭でのヨーロッパ室内管弦楽団との演奏がDVDとして発売されました。それもリハーサル付きのDVD2枚組です。ばんざい。

コンセルトヘボウとの演奏では、特に「モルダウ」が気に入っています。小さな水の流れが、さまざまな光景に出会いながらその経験を自らの中に抱き込み、大きな流れへと成長していく様を、決して先を急ぐことなく淡々と描いているように感じるからです。「高い城」のモチーフも「力強く」ではなく、成長したモルダウ川が崇高な城を仰ぎ見るように演奏されています。アーノンクールらしい主張のはっきりした演奏なので、好き嫌いもはっきりと分かれそうですね。
ヨーロッパ室内管弦楽団との演奏は、このコンサートの2ヶ月後に行われました。さて、どのような内容なのでしょうか?DVDの到着が楽しみでなりません。
 

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