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バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 YouTubeに聴くコレッリの合奏協奏曲 - さまざまなピッチで

 バロック時代には、さまざまなピッチが混在していました。国や地域、また音楽のジャンルによっても違っていました。アーノンクールによると、ヨーロッパには短3度にわたる13のピッチが存在していたとか。
 コレッリが活躍していた頃のローマのピッチは「A = 392Hz」だったと言われています。これは現在のピッチよりも全音低く、ヘ長調の作品だったら変ホ長調の響きがするということになります。ピーター=ヤン・ベルダー(Pieter-Jan Belder)が指揮するムジカ・アンフィオン(Musica Amphion)の古楽器による演奏で「合奏協奏曲 ヘ長調 作品6-9」を聴いてみましょう。どちらかというと暗くて重い響き。

 現在、古楽器による演奏では、フランス・バロックを除いて「A = 415Hz」が世界標準のようになっています。まぁ、そう決めておけば世界中の様々な奏者が無理なく合奏できる、というような感じでしょうか。ロバート・キング(Robert King)が指揮するキングス・コンソート(The King's Consort)の演奏で同じ曲を聴いてみましょう。ムジカ・アンフィオンの演奏よりも半音高くて、今よりも半音低い、わりと聴き慣れた古楽器オケの響き。

 現代のピッチというと「A = 440Hz」を思い浮かべますが、実際にはこのピッチより高くとることの方が多いのではないでしょうか。ここではボストンの素晴らしい弦楽アンサンブル「A Far Cry」の演奏を聴いてみましょう。あまり古楽器を意識しない現代的な奏法で弾いているということもありますが、こんなに違うと全然別の曲みたい。

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