穏やかな時間の中に
昨年の9月に「うちの近所に「ミーちゃん」と呼ばれる猫がいます。小柄な雌の三毛で、おとなしく、争いを好まず、そして人懐こいので皆に愛されています。」と書きました。そのミーちゃんが亡くなって、今日でちょうど1年が経ちます。
- 穏やかな時間を運ぶ者
〔バシッといこうぜぃ blog - 2010年9月19日〕
http://d.hatena.ne.jp/pomz99/20100919/1284859632
ここ数日続いている残暑は、日に日にやつれていったミーちゃんの姿を思い出させるものです。お世話をしていた方に後から聞いた話によると、ミーちゃんは我々が思っていたよりもずっと年をとった猫だったそうです。昨年の暑さは、老体にはさぞかし辛いものであったに違いありません。
亡くなってから数ヶ月は、いつもの習慣から、無意識のうちに、アパートの階段裏手のミーちゃんがいつもいた場所にその姿を探していました。しかし、いつの頃からか、そこは本当に何もないからっぽな空間になってしまいました。きっとミーちゃんの魂は完全に天に昇り、彼女が運んできた穏やかな時間もその場所からは消えてしまったのでしょう。
ミーちゃんの姿を、できればモデルさんのように前足を少しクロスさせて座っていたあの姿を、1枚でも写真におさめておけばよかったかなぁ、と思うことがあります。今の私たちの目にはミーちゃんの姿は見えず、「マー」という声も聞こえませんが、ミーちゃんが運んできてくれた穏やかな時間は心の中にしっかりと流れています。彼女の姿と声は、その穏やかな時間の中にいつまでも大切にしまっておきたいと思っています。