バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 モーツァルトのレクイエム展(武蔵野市民文化会館)

 裏道をぷらぷら歩くのが好きだ。だから、JR三鷹駅から武蔵野市民文化会館へ向かう際に、最初から表通りではなく裏通りを歩けばよかったのだ。道に迷いそうになったじゃないか、わははー(笑
 こないだの日曜日、くにたちバロックアンサンブルの練習の帰りに、武蔵野市民文化会館展示室で開催中の「モーツァルトのレクイエム展 : 海老澤敏コレクション」に行ってみた。「裏通り」というのは、アマチュア合唱団の副指揮者をしていた頃、練習会場である市民文化会館へ行く際に通った道である。三鷹駅の周辺は昔とは随分と様変わりしていてるにもかかわらず、「なんかあっちの方だろ」と思って歩き始めたのがいけなかった。今度は、ちゃんと地図を見てから歩こ。
 モーツァルトのレクイエムというのは、自分が向かうべき音楽の方向性を決定づけた作品だ。子供の頃、モーツァルトピアノ曲を練習するのが嫌いだった。今では笑い話にもならないが、その当時は「ペダルを使ってはいけない」「テンポを崩してはいけない」「強弱を際立たせてはいけない」、そんな制約で縛り上げるのがモーツァルトの音楽であるかのように言われていた。そりゃ退屈するだろ、普通。
 そんな教条主義的な雰囲気を気持ちよく吹き飛ばしてくれたのが、アーノンクールがコンツェントゥス・ムジクスと演奏したモツ・レクのレコードだった。それは体裁や先入観というものを脱ぎ捨て、ダイナミックであることを決して恐れず、人の心に「語りかける」ことを信条とした演奏であった。その主張には強い意志がみなぎっており、1回聴いただけで「自分が向かうべき道はこっちだ」と直感した。
 卒論、と言っても、たいした内容のないエッセイのようなものだったが、そのテーマにモーツァルトを選んだのもアーノンクールモツ・レクとの出会いがあったからだ。そして、卒業の際に行われた論文発表の場で、実証演奏と称してモツ・レクの抜粋を演奏した。そんなことしてよかったのかどうか知らないけど、ともかくそれをやらずにはおられなかった。
 武蔵野市民文化会館へ向かう裏道に「再会」した時、そんなことがいろいろと思い出された。道というのは、そういうもんなのかね。で、その裏道の先に「モーツァルトのレクイエム展」があって、道の先に道があるというのを話のオチにしようと思ったのだが、うまい具合にはオチなかったな。あー、もう限界。アタマがぼーーっとしてきた。
 12月5日はモーツァルトの命日。1時間15分ほど過ぎてしまったけど。

*追記:そして、12月6日はニコラウス・アーノンクールの誕生日。ハッピー・バースディ!