バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 コンロン・ナンカロウ「自動ピアノのためのスタディ」(追記あり)

 コンロン・ナンカロウ(Conlon Nancarrow, 1912-1997)は、ピアノロールを使った自動ピアノのための作品で有名なアメリカ生まれの作曲家。若い頃に師事したウォルター・ピストンとロジャー・セッションズは、どちらかというと保守的なシンフォニストだと思うのだが、ヘンリー・カウエルとの出会いがナンカロウの道を決定づけたんだろうな。もっとも、ニューイングランドのあたりには、チャールズ・アイヴズやカール・ラッグルズみたいな作曲家もいたはずだから、スロニムスキーを通じて若い頃から進歩的な音楽にも触れていたはずだと想像するのだけれど、どうなんだろう。
 で、その50曲ほどある「自動ピアノのためのスタディ」の中から「3c」という番号を持った作品である。なぜに「3c」?それは「スタディの中で一番好きなのがこれ」だから。ガチャガチャしていて最高にノリノリなところがいい感じ。

 ナンカロウが若い頃ジャズのトランペット奏者だったことを彷彿とさせる作品。「スタディ」の中でも「3」の番号を持つ5曲(3aから3eまで)は「ブギ・ウギ組曲 Boogie-Woogie Suite」というサブタイトルを持っている。YouTubeでは他の4曲、というより「スタディ」の大半がアップされているから探してみるとおもしろいかも。自動ピアノの動いている様子もいろいろと見られるし。
 最近では、この「スタディ」を室内アンサンブル用などに編曲して人間が演奏することもある。本当はアンサンブル・モデルンが演奏した「3c」があるとよかったのだけれど、残念ながらYouTubeにはないみたい。代わりにピアノと木管アンサンブルで演奏された「3b」。

 ところで、ひとつ前のエントリーに書いたボルコムだが、ラグタイムの語法を使ったシリアスな作品があったので是非こちらも。なんとなくナンカロウの芸風に通じるところがあるような、ないような。

追記(2011.12.29 18:20)

 「3c」が収録されているアンサンブル・モデルンのCDは廃盤になっているのか。
Nancarrow;Studies
 このCDは作曲者存命中の1992年4月に録音されている。アンサンブルで演奏するための編曲はY.ミカショフ(Yvar Mikhashoff, 1941-1993)が行っているが、解説書によると「3c」についてはナンカロウ自身がオーケストレーションの指示をだしているそうだ。冒頭のテーマはミュートをつけたトランペットがジャズっぽく演奏しており、その後もラッパが大活躍。この1曲だけでも聴く価値のあるアルバムだと思うんだけどな。廃盤とはほんとにもったいない。
 

追記(2013.11.11 13:50)

 いつのまにかCalefaxの「3c」がアップされてたのでメモ。