すちゃらか仙台道中記
今日(1月10日)は朝から電車が遅れたりして、油断ならない一日。新幹線の出発の時間なんか間違えて覚えてたし。東京駅に向かう際、京浜東北線でシートに座ったら、目の前のおっちゃん二人が仙台に行く話をしておる。おや、この人たちも出張かいとか思ったら、偶然同じ新幹線。思わず会釈しそうになって焦った。
東北新幹線は思ったよりも空いていて、隣の席は仙台まで誰も座らなかった。窓の下、足下あたりにコンセントがあり、スマホの充電ができたのもラッキーだった。
車中の友として『ソングライン』を持ってきたので読んでいたら、外の景色がみるみる暗くなってゆく。よい子のみなさんは「え、まだ読んでなかったの?」とか真顔で言うなよな。すいません、まだでした。飛鳥山の横を通る頃には、夕暮れも過ぎてしまった。本を読み進めるうちに、辺りはあっという間に真っ暗。「うわ、はえー」と思ったらなんのことはないトンネルだった。紛らわしい。
新幹線は時間通りに仙台到着。仙台駅のまわりには大きな商業ビルがいくつも建っている。道幅は広くて、人通りも多い。若者は小綺麗にしてるし、良さそうな街。
ショッピングロードも大規模で店も多かったな。途中でかまぼこの鐘崎を発見。そういや仙台の名店だったけ。この商店街、正月のディスプレイが賑わいを演出していたけど、BGMで雅楽の「越天楽」がかかってるエリアがあった。そういうのは、はじめての体験。
で、お待ちかねの「せり鍋」である。お店の方によると、昔からある料理ではなく、5年ほど前から始めたものだとか。仙台の隣にある名取市では良い芹を作っており、東京の料亭などに出荷しているのだそうだ。元来、仙台は海の幸中心であり芹などはあまり食されなかったが、東京からの逆輸入という形で「せり鍋」なるものが始まったらしい。
要するに、芹のしゃぶしゃぶなのだ。食べ方を間違えなければ大変美味。鰹節と昆布でとった出汁にまず鴨肉を入れる。この鴨には適度に脂身がついていることが重要。この脂が最終的な味を決める。ちょっと甘くて、鴨肉のほんのり良い香り。
芹は、根っこがしっかりついているものでないといけない。たぶん、そう。そのしっかりとした芹を3つに分ける。根っこの部分、茎の部分、そして葉っぱのあたり。鍋に投入する順番もこの通り。根っこはちょっと長めに出汁にくぐらせ、葉っぱの部分はさっと通すくらい。なので、必然的に茎はその中間ということになる。そのくらいでないと歯ごたえが悪くなるだけでなく、鴨も入った出汁は味が強いので、芹の存在感がどっかにいってしまうから注意。
画像の具材は一人前。鴨を入れた出汁の中でせりを湯がく。鴨の甘い香りがたまらん。せり独特の苦味や香りがうれしい。芹の根っこがまたいい感じなのだよ。
〆は「うどん」か「おじや」。今回は「おじや」を選択。食べる直前に溶き卵を入れて蒸らす。ここでも鴨の甘い上品な香り。最後は、お腹パンパンになってお店を出ましたとさ。あー、食った食った。ごちそうさまでした。
というわけで、よい夢を。