譚盾「ピーパーと弦楽オーケストラのための協奏曲」
一昨日、遅くまでかかって書いたエントリーが消えてた。昨晩、ヘロヘロになってテキストを上書きしたみたいだ。がっくし。仕方ない、Googleのキャッシュから復元しておくか。
で、タン・ドゥンの「古筝と弦楽オーケストラのための協奏曲」に感激したのでCDを探したのだが、この作品を収録したものはまだでていないようだった。その代わりに、古筝ではなくピーパーがソロ楽器になっているバージョンのCDがあったので入手。ユーリ・バシュメットが室内合奏団「モスクワ・ソロイスツ」を指揮した演奏。ソロは吴蛮(Wu Man)女史。
- Tan Dun: Concerto for String Orchestra and Pipa (1999) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=i48QybOzn14
ピーパー(Pipa)というのは中国の琵琶で、やはり金属弦を義爪で弾くのだそうだ(→ Wikipedia)。あ、今思いっきりdisられてるアメリカの「SOPA and PIPA」とは全然関係ないから(笑。で、CDの解説書には、「ピーパー協奏曲」の世界初演が、1999年7月に札幌で開催されたパシフィック・ミュージック・フェスティバルで行われたとある。なるほど、この年譚盾はPMFレジデント・コンポーザーだったんだな。ふむ。
- PMF(Pacific Music Festival Sapporo):ヒストリー(写真集を含む):1999年
https://www.pmf.or.jp/jp/about/history/1999/main.html
この時のソロは卲容女史。
CDとYouTubeの演奏を聴き比べてみた印象は随分違う。バシュメットらの演奏は、ふとした瞬間にベンチャーズのギターみたいに聴こえるピーパーの音、規模が小さく引き締まった弦楽合奏の響き、「かけ声」など楽器以外の音まで演奏精度が高かったりして「直球勝負」という感じ。一方、ケルンでの古筝をソロにした自作自演は、優美でスケールが大きく、さらに「ロマンティック」でさえあるように思った。というわけで、次回の譚盾エントリーでは、この協奏曲の源泉である「ゴースト・オペラ」にようやくたどり着く、かも。