バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 譚盾「ピーパーと弦楽オーケストラのための協奏曲」

 一昨日、遅くまでかかって書いたエントリーが消えてた。昨晩、ヘロヘロになってテキストを上書きしたみたいだ。がっくし。仕方ない、Googleのキャッシュから復元しておくか。
 で、タン・ドゥンの「古筝と弦楽オーケストラのための協奏曲」に感激したのでCDを探したのだが、この作品を収録したものはまだでていないようだった。その代わりに、古筝ではなくピーパーがソロ楽器になっているバージョンのCDがあったので入手。ユーリ・バシュメットが室内合奏団「モスクワ・ソロイスツ」を指揮した演奏。ソロは吴蛮(Wu Man)女史。

 ピーパー(Pipa)というのは中国の琵琶で、やはり金属弦を義爪で弾くのだそうだ(→ Wikipedia)。あ、今思いっきりdisられてるアメリカの「SOPA and PIPA」とは全然関係ないから(笑。で、CDの解説書には、「ピーパー協奏曲」の世界初演が、1999年7月に札幌で開催されたパシフィック・ミュージック・フェスティバルで行われたとある。なるほど、この年譚盾はPMFレジデント・コンポーザーだったんだな。ふむ。

 この時のソロは卲容女史。

 CDとYouTubeの演奏を聴き比べてみた印象は随分違う。バシュメットらの演奏は、ふとした瞬間にベンチャーズのギターみたいに聴こえるピーパーの音、規模が小さく引き締まった弦楽合奏の響き、「かけ声」など楽器以外の音まで演奏精度が高かったりして「直球勝負」という感じ。一方、ケルンでの古筝をソロにした自作自演は、優美でスケールが大きく、さらに「ロマンティック」でさえあるように思った。というわけで、次回の譚盾エントリーでは、この協奏曲の源泉である「ゴースト・オペラ」にようやくたどり着く、かも。