バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ドビュッシー「パゴダ(塔)」(グレインジャー編曲)

 最近、昼飯の時間がだんだんと少なくなっているような気がする。居残り当番とか、次の予定があったりとかで、慌てて5分くらいで適当に弁当喰って「お先にー」とか言って立ち去ることが多い、みたいな。
 こんな調子だから、1時間くらい経つと「睡魔」が鬼のような顔をして襲ってくる。それも「絶対誰か昼飯に睡眠薬入れたよなー?」っていうレベルで襲来する。甘美だが恐ろしい瞬間。
 そんな一瞬に、どういう訳だか頭の中をガムラン風の鍵盤打楽器の音が駆け巡った。「なんの曲だっけな?」と緩んだ脳みそでうつらうつら考えているうちに、いつの間にか鬼のような睡魔は退散していた。ああ、今日は音楽に助けられたんだ。
 で、頭の中で鳴っていたのはFacebookにもリンクを張っておいたパーシー・グレインジャー編曲のドビュッシー「パゴダ(塔)」。原曲はピアノ曲だが、フル・オーケストラのためのアレンジではなく、打楽器(木琴、メタル・マリンバと普通のマリンバグロッケンシュピール、鐘)とハルモニウム、ダルシトーン(Dulcitoneチェレスタの中身が音叉になったようなもの)、チェレスタ、ピアノというアンサンブルのための編曲(→ Googleブックス)。ちなみにピアノは「3台12手」、つまり「連弾×3」というようにグレインジャー・ワールドが思いっきり炸裂している。そういえば、年末のエントリーで紹介したバッハのアレンジでも、そういった楽器がたくさん使われていたっけ。

 ドビュッシーは1889年のパリ万博でガムランに触れ、「パゴダ(塔)」にはその影響が色濃く現れている。グレインジャーは、ピアノ曲として生まれたこの作品を、彼自身が「Tunefull percussion instruments」と呼んだ楽器たちも使って、擬似的に先祖返りさせたんだな。YouTubeを探したら、グレインジャー自身がピアノを弾いた「パゴダ」があったのでメモ。

 というわけで、Facebookに「就寝前の音楽」として置いといたものが「覚醒の音楽」になったという、お粗末な一席。