バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 パリー「交響曲第3番ハ長調 〈イングリッシュ〉」

 ヒューバート・パリー(Sir Charles Hubert Hastings Parry, 1848-1918)が作曲した「交響曲第3番ハ長調」の第1楽章は佳作だと思う。どんなときでも、これを聴けば元気がでる。

 パリーの合奏曲というと「レディ・ラドナーの組曲」や「イギリス組曲」のような弦楽合奏曲が有名だが、この第3交響曲の第1楽章ではさらに気高く雄大な物語が聴き手を待ち受けている。バーメルトとロンドン・フィルの演奏はわりとゆるめだけれど、筋肉質な演奏が出てくれば、さらに目の詰まった音楽的な時間が展開されるのではなかろうか。音楽とは「創造」なのだよ。
 この曲の最後で、和音と「C (ハ音)」のユニゾンが交互に鳴り響くところは誰の耳にも残ることだろう。第1楽章はこの最後の部分へ向けてひた走る。そして、全てを聴き終わった後に「ああ、今までの出来事はそういうことだったのか」とわかる、そんな感じなのだな。なかなかやってくれるぜ、パリー。
 ところで、学生時代にイギリスの弦楽合奏曲を演奏する合奏団を作りたいと思っていた。いま思い返してみると「くにバロ」でヘレンダールやら、ヘンデルやら、ジェミニアーニやら、パーセルやら、バロック期にイギリスで活躍した人達の作品をそれなりにやっているんだな。あ、コレッリもイギリスで人気者だった。そう考えると、その頃の願いはそこそこ叶っていると言えるのかもしれない。ありがたいことだ、本当に。
 日曜日の夜に演奏するヘレンダールはオランダ生まれではあるけれども、イギリスに活動の場を求め、「グランド・コンチェルト」という非常に素晴らしい作品を残してくれた。きっと初めてヘレンダールを聴く人がほとんどだろう、と考えるとヘタな演奏はできん。さて、もう一回スコアを読んでから寝るとするか。