バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ジョン・アイアランド「コンチェルティーノ・パストラール」

 春眠、暁を覚えず。電車の中で居眠りしててたら、乗り過ごしそうになった。慌てて下りてエスカレーターに乗ったところで、「駆け上ったり、駆け下りたりするのは危険ですから」とかいうアナウンスが聞こえてくる。ぼーっとした頭の中で「駆け」が「禿」に変換されたアナウンスが3回ほどループしながら、「禿げ上がる」のもイヤだけど「禿下りる」のはもっとイヤだな、とか考えてる。着地点の予想がつかないのは、危険きわまりない。
 閑話休題
 「癒やし系な作品撰集」に2曲入れてみたジョン・アイアランド(John Ireland, 1879-1962)。彼の楽譜を出版しているブージー&ホークスのサイトを見てたら、今年は没後50年だと書いてある。いけねぇ、気がつかなかった。

 随分昔に入手したデヴィッド・ガーフォース(David Garforth)指揮イギリス室内管弦楽団のアイアランドとフランク・ブリッジの弦楽合奏曲を収録したアルバムを何度も聴くうちに別の演奏も聴いてみたくなり、リチャード・ヒコックスRichard Hickox, 1948-2008)のアイアランド・アルバムを買ってみた。
Downland Suite (a)/Orchestral
 ヒコックスといえば、彼が録音したヒューバート・パリーの「イギリス組曲」「レディ・ラドナーの組曲」は、素晴らしい演奏として光り輝く永遠の存在。新日本フィル定期演奏会で実演に接したことがあるけど、あんな大振りな指揮で、よくこんなに精度の高い演奏ができるなと感心した。いや、まじで素晴らしかった。
 このアルバムには、ガーフォースのCDに入っていなかった弦楽合奏曲「コンチェルティーノ・パストラール」が収録されている。1939年の作品ということもあってか新古典主義風で技巧的な部分も目立つが、アイアランドっぽいメランコリックな表情が随所に顔を出す。「悲歌 Threnody」名付けられた第2楽章は、例によってアイアランド節全開。

 一方で、第3楽章「トッカータ」はカッコよくてドライブ感満載のアレグロYouTube観てたらヤナーチェク室内管弦楽団がこの楽章をPVに使ってて、やっぱりかっこよかった。このドライブ感は、5年後に書かれたデヴィッド・ダイアモンドの「弦楽のためのラウンズ Rounds for String Orchestra」を思い起こす。