バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ピアノで聴くJ.S.バッハ「クラフィーア協奏曲 ニ短調 BWV1052」 (追記あり)

 ひとつ前のエントリーで埋め込んだアレクサンドル・タローとレ・ヴィオロン・デュ・ロワによるJ.S.バッハのクラフィーア協奏曲のPVがなかなかよかったのでCDを入手してみた。期待に違わずよい内容であった。

 ジャケットを見たら、YAMAHAのロゴが印刷してある。解説を読んだら1980年代の楽器で、暖かく、ややメロウなところは1960年代の楽器を思わせるのだそうだ。そうえば、グレン・グールドも晩年はヤマハのピアノを使っていたな。

Which instrument did you use?
A.T. A 1980s piano, whose warm, slightly mellow sound made me think of 1960s piano.

 で、そのグールドのライヴ録音が残っている。これがとてもエキサイティングで素晴らしい。伴奏は、ディミトリ・ミトロプーロス指揮のコンセルトヘボウ管弦楽団

 バーンスタインとの共演時にはもっと遅いテンポで演奏していて、こちらはグールドらしいノン・レガートが目立っていて対位法的な展開も聴き取りやすい。グールドにとっては楽曲の構造が一番重要で、演奏速度というのはプライオリティーが低い、とどこかに書いてあったように思う。

 近年バッハの演奏で話題となっているアンジェラ・ヒューイットAngela Hewitt)は、いわゆる「ピリオド奏法」を採用しているオーストラリア室内管弦楽団(Australian Chamber Orchestra)と共演したCDをだしているけど、残念ながらこれはタローほどのインパクトは感じられなかった。音の録り方がピアノ中心だからかな?

 

追記(2012.03.31 23:45)

 YouTube見てたらダヴィド・フレイ(David Fray)という兄さんが、イ長調のコンチェルトBWV1055の弾き振りをしているPVがあった。CDのジャケットがイケメン風を売りにしていたので「なんだかな〜」と思っていたが、演奏はちょっとやんちゃな感じもあって、なかなかよろしい。

 モダン・ピアノでバッハのコンチェルトを弾くことを恐れる必要なんてどこにもないじゃん。いいぞ、もっとやれ!