バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ピアノで聴くJ.S.バッハ「クラフィーア協奏曲 ヘ短調 BWV1056」

 「僕イケメン」っぽいジャケットのせいで食指が動かなかったダヴィド・フレイ(David Fray)のJ.S.バッハ「クラフィーア協奏曲集」を、勇気を出して(笑)入手してみた。

 ヘ短調BWV1056のコンチェルトの第2楽章。これは、グレン・グールドが音楽を担当した映画「スローターハウス5」の冒頭で流れる曲だ。主人公のビリー・ピルグリムが白く雪に覆われた戦場をさまよう場面。アレクサンドル・タローヤマハのピアノで、伴奏の弦楽器はアルコ(弓)で弾いていた。一方、フレイ兄さんの弾く楽器はスタインウェイ。弦楽器の伴奏はピチカート。ストイックだけど表情豊かなのは、フレイ兄さんの方だった。弱音ペダルを踏んだスタインウェイの音色は光り輝いていて、まるで透明なダイヤモンドの中に無限の空間を見るようだ。アッポジャトゥーラもちゃんと韻を踏んでいて、確かに、ここには語る音楽が存在する。