バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 飛鳥山の桜とジョン・アイアランドの音楽

 飛鳥山の桜も、11日の雨でソメイヨシノの花がずいぶんと散ってしまったのではないかな。これからは八重の出番になるわけだが、ピンクの彩りが薄まったところで、今日(12日)の朝は白っぽい花の桜が目立っていた。
飛鳥山の桜(2012.04.12)
 「桜の花に合う音楽って誰の曲かな」と考えたときに、まずバッハの「ちゃらり〜ん」とかベートーヴェンの「じゃじゃじゃじゃ〜ん」ではないな、ブラームスなんかも違う気がするし、やっぱり日本人の作品がよさそう、とか思う。満開になった桜の木のまわりには、生命の息吹と滅していく儚さの両方が混在している。
 2012年が没後50年となるジョン・アイアランド(John Ireland, 1879-1962)のプレイリストを作ってみた。「Meditation on John Keble’s Rogationtide Hymn」という作品の弦楽合奏版(G.ブッシュ編)と原曲のオルガン版をリストの最初と最後に置き、その間に弦楽合奏曲やらなにやらを5曲ほど並べて聴いていたら、いつのまにか彼の音楽にハマって抜けられなくなってしまった。
 オルガン曲「Meditation」はアイアランド最後の曲で、視力が衰える中で作曲されたこの作品の中には、過去に書かれた作品を思い起こしている部分があるらしい。

 アイアランドの音楽の中には、特に彼のゆっくりした曲には、彼岸に通じる道が隠されているんじゃなかろうかと思う瞬間がある。向かっていく先では何かが消えていくような、そしてそこに吸い込まれたら帰ってこられなくなるような、そんな気がするのだよ。
 というわけで、吸い込まれて帰れなくなりそうな人は、明日からアイアランド禁止な(笑。いや、それはちょっと無理だわ。あっはっは。