バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 デンマーク王立図書館のGieddeコレクション

 職場の同僚がコペンハーゲンで開催されたビジネス・アーカイブズの国際会議に参加。デンマーク王立図書館の写真をFacebookにアップしてくれたので、うわさのブラック・ダイアモンドというのを初めて見ることができた。Wikipedeiaによると、1999年に建てられた新館だそうで、実際に見たらものすごい存在感なんだろうな。
デンマーク王立図書館のブラック・ダイアモンド
 Facebookに寄せられたコメントによると、デンマークという国は公文書の電子化に熱心なんだそうだ。「デンマーク デジタル化」でググったら、国立国会図書館のカレントアウェアネスの記事がヒットした。へぇ。

 王立図書館では書籍だけではなく、様々なアーカイブズ的な資料をデジタル化してネットで公開している。くにたちバロックアンサンブルで演奏用資料を作る際に参考にしたテレマンドン・キホーテのブルレスカ」の手稿パート譜も、デンマーク王立図書館が所蔵するものだ。
テレマン「ドン・キホーテのブルレスカ」ファースト・ヴァイオリンのパート譜

 この手稿譜はアマチュアながらフルート奏者としても活躍したWerner Hans Rudolph Rozenkrantz Giedde(1756-1816)のフルート音楽を中心とする楽譜コレクションに含まれている。王立図書館のページを見ると、この「Gieddeコレクション」は170の作曲家による1230作品からなっており、印刷譜が665、残りが手稿譜とのこと。

 コレクションの概要やら来歴やらは1976年にまとめられており、ありがたいことにPDFで読むことができる(英語)。それによると、コレクションに含まれる手稿譜はデンマークにおいて書かれたものではなく、ドイツやオランダのディーラーから直接送られてきたものであるらしい。

 スウェーデン音楽・演劇図書館が所蔵する「Utile Dulci」のコレクションには出版譜から作成された手書きのスコアがペアで存在していたが、Gieddeコレクションにはそのようなことがないように見受けられる。これらふたつのコレクションは、性格が少し違うようだ。う〜む、おもしろい。