バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 スティーヴ・ライヒ「エレクトリック・カウンターポイント」「マレット・カルテット」

 ミニマリストスティーヴ・ライヒ(ライク)の作品の中では、エレキ・ギターのために書かれた「エレクトリック・カウンターポイント」を最も気に入っている。ただし、ジャズ・ギタリストであるパット・メセニーPat Metheny, 1954- )のCDでないといけない。自分の頭の中では、楽譜には書くことのできないあの「ノリ」と作品が渾然一体となっている。それはフランス・バロックにおけるリズム・イネガルのようなもの、とかいうと怒られるのかな。

 「Electric Counterpoint」でググってたら、BBCのサイトにこの曲の第3部を譜例付きで解説してるページがあったのでメモ。

 パット・メセニーの演奏による「エレクトリック・カウンターポイント」は、本来複雑なものをどこかでスルリとやり過ごすようなカッコ良さがある。たぶん、こういうのを「クール」って言うのだろう。
 ライヒが絶賛したという打楽器グループ「アマディンダ」のビデオがYouTubeにあって、これもなかなかよろしい。演奏している作品は「マレット・カルテット Mallet Quartet」。

 こっちの作品は、カウンターポイントのシリーズよりも音楽が自由に展開している部分があって風通しがよい。同じようなパルスの中で、音楽のカラーが少しずつ変化していく様は、水滴の表面で光のかけらが煌めき、そして空間の中に散っていく様子を見ているかのようでもある。しかし、そこに流れている時間は案外図太くて、ゆっくりしたものなのではないかな。
 速いけど遅い、流れるけど停まっている、そんな風になんとなく流れていく時間。