バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 Klassisk saertog - nyd musikken

 「音楽ってなんだろうな」と思うことがある。音楽は何でもない時間の中に、特別な時間を作りあげる。

 このビデオで地下鉄に乗り込んで演奏しているコペンハーゲン・フィル Copenhagen Phil (Sjællands Symfoniorkester) の歴史は、ゲオ・カーステンセン(Georg Carstensen, 1812-1857)がチボリ公園を開いた1843年に遡る。

 オーケストラの公式ウェブサイトを見て、おもしろいなと思ったのは「60 minutes」というシリーズ。19時30分に開場し、アーティストによるビデオやインスタレーションの上演の後、15分のウォームアップ・コンサートを経て、21時から1時間のメイン・コンサートとなる。デンマーク語なのでよくわからないのだが、曲目はとても魅力的。きっと、創造的で充実した時間を過ごすことができるのだろう。

 YouTubeの解説によると、コペンハーゲンの地下鉄はとても静かなのだそうだ。ジョン・ケージは「4分33秒」で日常の音の中に音楽を聴き込んだが、コペンハーゲン・フィルは日常の音の中に音楽を芽生えさせた。少なくとも自分には、「持ち込んだ」のではなく、そこにもともとあった音楽の種子を発芽させ、花を咲かせたように聴こえる。ビデオの最後に映っている赤ちゃんも音楽に耳を傾けているけど、いつかその顔に満面の笑みを湛える日が来るのだろう。音楽っていうのは、本来そういうものなのではないかな。
 Klassisk saertog - nyd musikken (Classical special train - enjoy the music)