バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 テレマン「ドン・キホーテのブルレスカ」

 「くにたちバロックアンサンブル第9回演奏会」で演奏するテレマンドン・キホーテのブルレスカ」。先日聴いたCDがちょっとおもしろかったのでメモ。
Burlesque De Quixotte/Concerto in E Minor for 2 Re
 演奏しているのは「Les Esprits Animaux」というオランダを拠点として活動している若い古楽器アンサンブル。各パート1人ずつの編成で、コントラバスはなし。興味深いのは使用している楽譜で、以前に書いたBroude Brothers社のものでは「もちろん」なく、ダルムシュタットとベルリンの図書館にある手稿譜を基にしているF.シュレーダー校訂の出版譜でもない。
 第1曲「序曲 Ouverture」のアーティキュレーションや第4曲「ドゥルシネア姫に寄せる愛のためいき」の16分音符の音型など、デンマーク王立図書館の「Gieddeコレクション」に含まれる筆写パート譜(カタログ番号:Gieddes Samling X,3 mu 6305.1360)の特徴によく似ている。もしやと思ってCDの解説書を見たら「テレマンの手稿譜には云々」とは書かれているが、どこの機関が所蔵している楽譜かということは書いてなかった。残念!

One need only glance at the autograph manuscript to become aware of the humour that imbues the entire work: Telemann even drew a grinning face in the 'O' of the word 'Ouverture'.
 --- CD解説書より

 ちなみに上記の引用はフランス語からの英訳で、「autograph」というのは不要かも。で、デンマーク王立図書館がネットで公開している手稿譜のPDFを見たら、確かに「Ouverture」の「O」のマルの中に顔が描いてある。それもカバーと4部あるパート譜の全部に。たとえば、ファースト・ヴァイオリンのパート譜冒頭はこんな感じ。おちゃめだな(笑