バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 スピノジがモダン・オーケストラと奏でるラモーとヘンデル

 指揮者としてのジャン=クリストフ・スピノジ(Jean-Christophe Spinosi, 1964- )の姿を見て、「モダン・オーケストラがバロック音楽を演奏する」ということが特別なことではなくなるといいな、と思った。

 このヴィデオのプログラムは以下の通り。前半にバロック、後半にフランス近代という構成になっているが、当日の演奏曲目にはこのほかにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲があったようだ。オーケストラはhr交響楽団(hr-Sinfonieorchester)、昔フランクフルト放送交響楽団と言われていたところ。

  1. ラモー「プラテー」序曲
  2. ヘンデル「セルセ」序曲
  3. ドビュッシー(キャプレ編曲)「月の光」
  4. ラヴェル「ラ・ヴァルス」
  5. ラヴェルボレロ

 オーケストラは、ヴィブラート少なめでバロックっぽいボウイングを自然にこなしている。スピノジの指揮は颯爽としていてエレガントだ。どこにも構えたところがなく、「目の前にある楽譜を演奏したら自然とこうなりました」というところが素晴らしい。同じモダン・オーケストラでも、ベルリン・フィルだともう少しかしこまった感じがする。まぁ、これは指揮者の違いかもしれないけれど。

 古楽器によるスペシャリストの演奏というものが幅をきかせるようになり、大半のバロック音楽はモダン・オーケストラのレパートリーから外されてしまった。その結果、バロック期の管弦楽曲を生演奏として聴く機会は増えたのか、減ったのか?J.S.バッハの「管弦楽組曲」や「ブランデンブルク協奏曲」はともかく、コレッリヘンデルの「合奏協奏曲」を、あるいはくにバロ・メンバーお気に入りのムファットやヘレンダールの作品を生で聴きたいと思ったときに、我々はどこへ行ったらよいというのだろう。
 シンフォニー・オーケストラのレパートリーの中にバロック音楽が戻ってくるのは、とても喜ばしいことだと思う。スピノジには、バロック音楽を日本のモダン・オーケストラともバンバン演奏してもらいたいな。もちろん、手兵のアンサンブル・マテウスとでもいいんだけどさ。