バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ドビュッシーのピアノ曲いろいろ

 「ドビュッシー、作品とその魅力」というレクチャー・コンサートに行ってきた(2012.07.16、日経ホール)。通路側の席を空けといてくださったのに、ちゃんとした御礼も言わずに申し訳なし。あらためて感謝。

 前半はフォーレの研究家として名高いジャン=ミシェル・ネクトゥー(Jean-Michel Nectoux, 1946- )によるレクチャー。ネクトゥーの演題は「ドビュッシー 作品とその魅力」だったが、ドビュッシー(Claude Achille Debussy, 1862-1918)の作品を、同時代人である画家エドガー・ドガ(Edgar Degas, 1834-1917)や詩人ステファヌ・マラルメ(Stéphane Mallarmé, 1842-1898)との交友関係の中から浮かび上がらせるような内容でおもしろかった。
 後半はフランソワ・シャプラン(François Chaplin)の演奏でドビュッシーフォーレ(Gabriel Urbain Fauré, 1845-1924)、ショパン(Fryderyk Franciszek Chopin, 1810-1849)のピアノ曲。ピアノのコンサートなんて学生の時に数回行っただけだから、何年ぶりだろう。演奏は見事だったと思うが、ドビュッシーフォーレショパンという時代やスタイルの全然違う作品を、スタインウェイのモダン・ピアノ1台で演奏するというのはきっと大変なんだろうな。今日のピアノは、高い方の音域がやたらカンカン鳴るような調整になっていたけど、どの曲もそのバランスで弾かなければならないわけだから、必然的に同じような構成(メロディー+伴奏とか)の演奏になってしまわないのだろうかと、ついいらない心配をしてしまった。
 閑話休題
 YouTubeを観ていたら、歴史的な楽器によるドビュッシーの演奏を発見。プレイエルの1837年製アップライト・ピアノで弾いた「亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)」の演奏は、不思議なことにモダン・ピアノよりも発音がはっきりしていて、響きにも様々な色合いがあるように聴こえる。演奏は1分18秒くらいから。ちなみに、ドビュッシーマホガニー色のアップライトを持っていたのだそうだ。

 ベヒシュタインで弾いた「版画(Estampes)」。第1曲「パゴダ」の響きが、なんとなくグレインジャーのアレンジに通じるところがあるようでおもしろい。

 あと、レオポルド・ストコフスキーがフル・オーケストラ用に編曲した「沈める寺」。ラヴェルが編曲した「展覧会の絵」よりゴージャスかも(笑