ホールの響きと作品の響き
くにたちバロックアンサンブル、昨日の練習会場は国分寺市立第四小学校の中にある「ひだまりホール」。窓が多ので外がよく見えて気持ちが良いなあ、と思ってたら突然滝のような雨が「ざっぱー」とかいう音を出しながら降ってきた。練習が終わる頃には雨もやんでいたけど、たまには滝の音をバックに練習するのもいいかな。ある意味「ウォーター・コンチェルト」。
Source: Uploaded by user via Toru on Pinterest
ホールの音響がオーケストラのサウンドに影響を与えるという意味で、「ホールも楽器の一部」ということが言われる。くにバロは何年もの間、個人宅の地下にある音楽スタジオを使わせて頂いているが、昨日の「ひだまりホール」は70-80人くらいは入れそうなスペース。「風のホール」の舞台をイメージできるくらい天井が高くてクリアな残響が心地よかった。そういう空間では、楽器の弾き方が伸びやかな方向へ自然と変わってくるから不思議だ。なるほど、そういうことか。
ヴィヴァルディ、ヘレンダール、ムファット(ムッファト)と時代やスタイルの違う3つの作品を練習してみて、17世紀後半のムファット(1653-1704)と18世紀前半のヴィヴァルディ(1678-1741)における音楽の違いは計り知れないと思った。音楽の響きの中に世界の調和を求めるムファットと、刺激的な音響で世界を徴発するウルトラモダンなヴィヴァルディの音楽。彼らの間に横たわる数十年という時間の中で、「音楽」というのはムファットが想い描いたままではいられなかったんだな。
- Ensemble Cambiata Wien plays Passacaglia by Georg Muffat - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=dkHMGkL6gjE
- A. Vivaldi: RV 119 / Paris Concerto n. 3 for strings & b.c. in C minor / Modo Antiquo - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=SrSJX8JS7-w
ちなみに、「ひだまりホール」の響きに合っていたのはムファットの方だった。ヴィヴァルディの作品は、もう少しデッドな音響のところで、ガリガリ弾いた方がよい結果がでるのかも。ホールというのは作品の一部でもあるらしい。