バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 N.クレオバリーが指揮するフランク・ブリッジ作品集

 休日出勤の代休をとったはずなのに、朝から仕事でお茶の水に行き、帰ってきたらメールの嵐。なんだか休んだ気にならなかったぞ。あらら。
 それはそれとして良いこともあって、ニコラス・クレオバリー(Nicholas Cleobury, 1950- )がブリテンシンフォニア(Britten Sinfonia)を指揮したフランク・ブリッジ作品集が届いた。アマゾンを眺めていたらジャケットが良かったので即買いしたCD。今日の午後はこれが鳴りっぱなし。
Bridge;Suite for Strings Et
 収録されているのはブリッジの作品の中でも耳あたりの良いものが中心。

  1. Suite for string orchestra (H.93, 1909)
  2. Impression: There Is a Willow Grows Aslant a Brook, for orchestra (H.173, 1927)
  3. Incidental music for The Two Hunchbacks (H.95, 1910)
  4. Two Intermezzi from ‘Threads' (H 151, 1921)
  5. Two Entr'actes: Rosemary, H 68b & Canzonetta, H 169
  6. Berceuse (H 8, 1901)
  7. Serenade (H.23, 1903)

 ブリッジがブリテンに定期的なレッスンをするようになったのは1928年だから、これらの作品はそれ以前のものとなる。2曲目のタイトル「小川のほとりにたつ斜めの柳」は「ハムレット第4幕第7場における王妃の台詞からとられたもので、このアルバムの中では唯一幻想的な響きを持つ。3曲目と4曲目は劇音楽からの抜粋、残りはピアノ曲やヴァイオリン(あるいはチェロ)のための小品のオーケストラ版。ドビュッシーラヴェルのようなフランス近代の香りが思いっきりしてくるのが微笑ましいところ。YouTubeにはクレオバリーの演奏はなかったが、代わりにウィリアム・ボートンが指揮した演奏があったのでご参考まで。

 クレオバリーの演奏は大変きちっとしたもので、どちらかというと叙情的な方へ寄っているから耳に優しく響く。ブリッジ・エントリーに埋め込んだリチャード・ヒコックスの指揮する「セレナーデ Serenade」は大オーケストラが演奏するだけあってゴージャスな身形をしていたが、クレオバリーの演奏の方が清楚で大げさな表情を付けていない分、作品の身の丈に合っているような気がする。なかなかよろしいのではないかな。
 上に掲載した緑色のCDは廃盤になっているようなので、今から入手するならディーリアスのヴァイオリン・ソナタとセットになっているアルバムがよいかも。
Violin Sonatas / Suite for Strings
 というわけで、そろそろ「くにバロ」の練習の準備にとりかからねば。どっこいしょ。