バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 2013年の無伴奏チェロによる演奏会ふたつ

 昨日はくにたちバロックアンサンブルの練習日だった。2012年最後の全体練習は、久しぶりにJR国立駅から歩いて5分ほどの「スタジオ光」。このスタジオは、急な坂を登り切った先にある。

     

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 これまで何年間もお世話になってきたスタジオで4ヶ月ぶりに音を出した瞬間、「くにバロの音を育んでくれたのはこの音だったな」といろいろなことを思い出した。ただ残念なことに、今の合奏団のスケールとは容量が合っていないようで、ちょっと大きな音を出したとたんにすぐに飽和してしまう。ちょうど子供服が合わなくなってしまった青年のようであったな。
 閑話休題
 来年、ピーター・ウィスペルウェイ(Pieter Wispelwey, 1962- )の来日公演で無伴奏作品だけのコンサートがあるのを教えて頂く。ありがたし。曲目はブリテンの再演かと思ったら、マックス・レーガー(Max Reger, 1873-1916)とJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲を交互に4曲並べるというものだった。

  1. レーガー/無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 Op.131c No.2
  2. J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012
  3. レーガー/無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 Op.131c No.1
  4. J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009

 ウィスペルウェイは作品131の無伴奏チェロ組曲3曲を含むレーガーのアルバムを出していて、そのジャケットには「First recording on authentic instruments」と書いてある。チェロは19世紀ボヘミア地方のもので、A線とD線にはガット、G線とC線にはシルバーを巻いた弦を使っているようだ。
Reger-3 Suites for Cello Solo
 コンサートの曲目をよく見ると、前半2曲は「ニ短調」と「ニ長調」だから同じDを主音とする「同主調」、後半は「ニ長調」の下属調(完全4度上)のGを主音とする「ト長調」から、その下属調である「ハ長調」へとつなげている。バッハの「無伴奏チェロ組曲」にも同じ調性の曲があって、レーガーの曲はバッハの パクリ オマージュみたいなところがあるから、おそらく1つの大きな塊を聴くようなコンサートになるのではないかな。もちろん、バッハとレーガーを同じピッチで演奏するということが前提だけれど。

 ところで、2013年はベンジャミン・ブリテンの生誕100年の記念の年。ウィスペルウェイによるブリテン無伴奏チェロ組曲」の日本での再演はないようだが、ジャン=ギアン・ケラス(Jean-Guihen Queyras, 1967- )による全曲演奏会があるらしい。会場はオペラシティのコンサートホール。もっと小さなホールでやればいいのに。

 公演日が11月22日ということは、まさにブリテンの「バースデー・コンサート」。チケットの発売は来年7月らしいから忘れないようにしなくては。