バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 YouTubeに聴くJ.S.バッハのオーケストラ版「パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582」いろいろ

 YouTubeにレオポルド・ストコフスキー(Leopold Stokowski, 1882-1977)が編曲・指揮したJ.S.バッハパッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582」のヴィデオがアップされてた。この演奏にはリハーサルの映像もあって、ストコフスキーがどのように演奏を組み立てていくかがわかる大変貴重なものだった。残念ながら、随分前に削除されたままなのだけれど。

 バッハのオルガン作品というと、どうしても「ちゃらり〜ん」で知られる「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」が有名で、ストコフスキーの編曲もそればかりが演奏されるようだが、以前に書いた「シャコンヌ」と共にこの「パッサカリアとフーガ」も印象深い響きに満ちている。低弦が弱音で演奏する冒頭のパッサカリアのテーマは思いっきりベタな感じもするが、途中から無理矢理クレッシェンドするあたりがストコフスキーらしい。
 「パッサカリアとフーガ」のオーケストラ用編曲というと、トスカニーニも演奏したオットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879-1936)によるものも有名。オーケストラの響きはこちらの方がはっきりしていて、変化にも富んでいると思う。パッサカリアのテーマはフォルテで始まるから、ストコフスキー版しか知らない人はちょっと驚くかも。

 シェーンベルクウェーベルンにも学んだルネ・レイボヴィッツ(René Leibowitz, 1913-1972)の編曲はふたつのオーケストラのためのもので、シェーンベルクが編曲した「聖アン」の響きに通じるところもあって興味深い。

 イギリスの指揮者アンドルー・デイヴィス(Andrew Davis、1944- )がオーケストレーションしたもの。ハープやチェレスタの音がオーケストラの響きに輪郭を添えてる。ってか、こんなのがあるとは全然知らなかったよ。