バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 メンデルスゾーン「スコットランド交響曲」

 のど風邪ひいたかもしんない。朝起きたときから「ぼーっ」、昼過ぎに薬飲んで「ぼーーっ」。くにバロの練習が2日連続であるから、思いっきり発散して風邪を吹っ飛ばしてやるぞぉ。
 さて、18世紀オーケストラのエントリーを書いてから、頭の中で「Herr, gib, daß ich dein Ehre」が鳴りっぱなし。オーケストラによるジーグのリズム、そしてコラールのメロディーがふとした拍子に顔を出す。どうやら、コラールの音の動きが「スコットランド交響曲」冒頭と同じ「ミ→ラ→シ→ド」というのがツボにはまったらしい。
 コンサートに行けなかったのがあんまり悔しかったので、星野宏美氏の『メンデルスゾーンスコットランド交響曲』(音楽之友社, 2003)を読み直している。前回は読破できなかったから、正確には生まれ変わったつもりで1ページ目から読んでいると言うべきか。メンデルスゾーンの自筆譜や出版譜、書簡など様々な資料を読み解きながら製作の過程を追っていくというその内容は、わくわく・ドキドキの連続で「素晴らしい」の一言に尽きる。特に、メンデルスゾーンエジンバラのホリドール宮殿を訪れた際に交響曲冒頭のテーマの着想を得、「私のスコットランド交響曲の始まりを見つけました」(同書 p.77)と手紙に書いたところに感動した。旅先でスコットランド特有の音楽から触発を受けることを期待していたにもかかわらず、そこで見つけたのは「スコットランドの民俗音楽を直接に取り入れたものではなかった」。作品の萌芽というのは、メンデルスゾーンという人間の中にあらかじめ宿されていたんだな。ああ、天才かくあるべし。
 
メンデルスゾーンのスコットランド交響曲