バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ブリュッヘンと18世紀オーケストラが奏でるラモーの管弦楽曲

 ずいぶん昔の話になるけど、音楽雑誌の記事に「フランス[・ブリュッヘン]は本当にラモーが大好き」とあったのを記憶している。18世紀オーケストラの初来日公演プログラムにもラモーが含まれていて、狂喜乱舞してたら来日中止になってしまったのはとても残念であったな。
 ブリュッヘン(Frans Brüggen, 1934- )は18世紀オーケストラ(Orchestra of the 18th Century)と共に5枚のラモー・アルバムを出している。

  1. 「ボレアド」「ダルダニュス」(初出:Philips 420 240) 録音:1986年6月
    Rameau: Les Boreades
  2. カストルとポリュックス」(初出:Philips 426 714) 録音:1989年6月
    Castor Et Pollux Suite
  3. 「優雅なインドの国々」(初出:Philips 438 946) 録音:1992年10月
    Rameau;Les Indes Galantes
  4. 「アカントとセフィーズ」「エベの祭典」(初出:Glossa GCD921103) 録音:1997年2月(アカント)/1996年9月(エベ)
    Rameau: Orchestral Suites
  5. 「ナイス」「ゾロアストル」(初出:Glossa GCD921106) 録音:1998年9月(ナイス)/2000年11月(ゾロアストル)
    Rameau: Nais, Zorastre Suites

 どのディスクも素晴らしい内容だが、フィリップスに録音していた頃の18世紀オーケストラは合奏の精度が異様に高く、それが演奏に緊張感と力強さ、そして何よりも表現の多様性を与えているのが大きな特徴。たとえば1枚目の「ボレアド」と「ダルダニュス」の序曲はこんな感じで、もしかしたら最近の様子とは少し違うかもしれない。

 同じ「ボレアド」の序曲(部分)をベルリン・フィルがやるとこうだ。

 そして「優雅なインドの国々」から。

 18世紀オーケストラのウェブサイトによると、もう1枚ラモーのCDが出るようだ。2012年10月14日グローニンゲンでのライヴ録音で、「ナイス」からの組曲が収録されている。2013年3月の発売とあるから、日本でもそろそろ告知がでるかもしれないな。

 残念ながら、フィリップスから出ていた1.と2.のディスクは現在廃盤のようだ。この際だから、「ガラ・コンサート」のCDと合わせてボックス・セットとして出し直してもらえないものだろうか。CDが劣化したせいか、「ダルダニュス」の最後に収録されているチャーミングなシャコンヌがノイズまみれになって困ってるんですけど。。。