ピノックとイングリッシュ・コンサートが奏でるヘレンダール「グランド・コンチェルト 変ホ長調 作品3-4」
ドイツ・グラモフォンの古楽レーベル「アルヒーフ」の記念CD“Grand Concert of Musick : English Baroque Concerti”が発売された。
このアルバムにはトレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏で、ヘンデルの陰に隠れがちなイギリス・バロック期の作曲家6名による作品が収録されている。エイヴィソン以外の5曲は1979年の録音で、イングリッシュ・コンサート初期の貴重なアルバムがまるごと入っているという、なんて魅力的なアルバム。
- ジョン・スタンリー/協奏曲ト長調 作品2-3
- トマス・アーン/チェンバロ協奏曲 ト短調
- ウィリアム・ボイス/交響曲 変ロ長調
- フランチェスコ・ジェミニアーニ/合奏協奏曲 ニ短調 (コレッリの「ラ・フォリア」による)
- ピーター・ヘレンダール/グランド・コンチェルト 変ホ長調 作品3-4
- チャールズ・エイヴィソン/合奏協奏曲 第9番 イ短調
ヘレンダールの作品、それも6曲からなる「グランド・コンチェルト」の中で最も穏やかな第4番が収録されていたので早速入手して聴いてみた。最初のグラーヴェと最後のパストラールがゆったりしていて大変よろしい。パストラール後半の繰り返しが省略されてるのは少々残念だけれど、ヴァイオリンが対向配置で、左右から「タラリーラ・ターラ」というモチーフが聴こえてくるのも心地よい。
- P. Hellendaal - Concerto Grosso No. 4 in E-flat, Op. 3 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qJQBhZYdrWs
オーケストラのメンバー表を見ると、サイモン・スタンデイジの他にロイ・グッドマンやジョン・ホロウェイ、それからスティーヴン・イッサーリスの女兄弟ラシェルとアンネットの名前もあった。ヘレンダールはファースト・ヴァイオリン5名、セカンド・ヴァイオリン4名、ヴィオラ3名、チェロ2名、コントラバス1名にオルガンとチェンバロで演奏。使用楽譜は「Walsh, London, 1758」とあるから、そのあたりはくにバロと同じだな。今時こんなアルバムが復活するとはね。おすすめ。