バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 くにたちバロックアンサンブルとヘレンダール

 あたふたとした毎日を送っていたら、いつのまにかくにバロ第10回演奏会から2週間経過。いつもなら次に演奏する曲目の目星をつけたりしているのだが、今回はその時間も取れずにいて本当にヤバい。
 くにバロでは、2010年の第7回演奏会から1年に1曲のペースで、ピーター・ヘレンダール(Pieter Hellendaal, 1721-1799)「グランド・コンチェルト(合奏協奏曲)作品3」の中から1曲ずつ選んで演奏している。一覧にするとこんな感じ。

  • 第7回演奏会(2010.05.15) : ヘ長調 作品3-6
  • 第8回演奏会(2011.06.18) : 変ホ長調 作品3-4
  • 第9回演奏会(2012.06.09) : ト短調 作品3-1
  • 第10回演奏会(2013.05.26) : ヘ長調 作品3-3

 それぞれの演奏会でお客様に書いていただいたアンケートを見ていくと、世間ではほとんど知られていないヘレンダールの作品が受け入れられていく様子がわかって興味深い。作品としては第8回で演奏した「変ホ長調 作品3-4」の評判が一番良いようだ。作品3の中では一番穏やかな曲だからかな。

 作品3は6曲からなっていて、演奏していない曲があと2曲ある。2番目のニ短調と5番目のニ長調だ。どちらもヘレンダールらしい、ちょっと理屈っぽくって、特徴のある語り口がおもしろい。ニ短調の方は少しメランコリックで、イタリア語でブレを意味する「ボレア Borea」で締めくくられる。

 ニ長調の方はが5つある楽章がそれぞれに長く、ソロ、リピエーノ、コンチェルティーノの組み合わせが多彩だし、なによりも対位法的に複雑で変化にとんでいる。

 こちらは穏やかな3拍子で始まるが、紆余曲折のあと、意外にも2拍子のマーチで終わる。このマーチもそこそこ理屈っぽいのだけれど、最後はどこへ向かっていくのだろうかと考えるとけっこう楽しい。こないだ演奏したヘ長調作品3-3の最後は「4分の6拍子」という3拍子系の変わったマーチだったが、終演後いつも聴きに来てくださるお客様から「きっとあれはメヌエットね。そう聴こえたわ。」と言われ、なるほどそうかもしれないと思った。
 というわけで、全曲制覇まであと2曲だけど、来年の演奏会はどうなるのか?次の練習は6月23日だから、その時に何か決まるかもしれない。続報をお楽しみに!