バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 日々雑感

 久しぶりに新宿タワー・レコード。店舗へ向かう上りエスカレーターめがけて小泉今日子の「潮騒のメモリー」や「真っ赤な女の子」、薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」が次々に流れてくる。最上階はクラシック・フロアのはずなのに、その一角に「あまちゃん」コーナー。もう少しでサウンド・トラック盤を買いそうになる自分がそこにいる。いや、いけない。今日は違うCDを探しに来たのではなかったのか。
 あまちゃんでは音楽がいつも重要な役割を果たしていて、特定の曲をライトモチーフみたいに使うことがある。その中でも忠兵衛さんと結びついている「星めぐりの歌」を特に気に入っている。この曲には、もともと独特の「訛り」と気持ちがこもっており、それはアレンジされた姿となっても変わることがない。忠兵衛さんの姿が見えないときでも、この曲が聴こえてくると確実に人の気配が漂ってくる。実態のある人が見えない人と声のない会話をかわしている間に、そこに見えている人の姿が気配の中に溶け込んでいくような感じがする。そういうの、ちょっとうらやましい。
 今、あまちゃんの物語は震災の直前で止まっている。あの時の直前。そして、その後どうなるかを知っている不思議な感覚。どうすればよかったのか。違う選択肢はあったのか。冷たく震える夜空を照らす月。細かく揺れ続ける電線。目の前の道は自分の足で歩け。職場ブログの震災関連情報を集めながら、そんなことが不意に甦る。
 道のりは長げえ。でも、やらねばなんねえ。