バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 三代前からマーメイド

 あと2日で最終回を迎えようとしている朝ドラ。東京編が始まってから、ただひとつ気になっていたのは、劇中で鈴鹿ひろ美が「潮騒のメモリー」を歌うかどうか。ドラマでは歌のうまい薬師丸ひろ子が音痴で、小泉今日子が影武者という設定だったが、春子が言うようにわざと音痴に歌っていたというなら、まんまと嵌められた感があるのはイナメナイよね。

 鈴鹿ひろ美、いや、薬師丸ひろ子の歌声は元合唱部だけあって安定感抜群。結局昨日は放送で2回、ヴィデオで3回観たが、何度観ても出だしの「アイ・ミス・ユー」と歌うところでぐっと来る。大友良英氏のツイートによると、この場面は録音の当てぶりではなく、生で歌っていたのだそうだ。

 歌詞をやわらかく、しかししっかりと歌う彼女のスタイルによって、曲の中から聴こえ、見えてくる風景が、小泉今日子のどこか陰りのあるマーメイドとはまったく違うものとなっている。その明るい歌声によって、「三途の川」という歌詞と共に生霊ヤング春子が消え、聴きに来た人達に、今を生きる幸せと、明日を生きる希望を与えているのが素晴らしい。ドラマの中では、それぞれの場面に応じて同じ曲を違うアレンジで使うことが多く、それがあまちゃんの大きな魅力のひとつなのだが、この歌唱はその最たるものだったのではないか。あとは、二人がデュエットでハモるかどうかだが、果たしてどうなるか。楽しみに待ちたい。