バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ムジカ・アンティクァ・ケルンが奏でるエルレバッハ、クッサー、コベルク

 ラインハルト・ゲーベル(Reinhard Goebel)がベルリン・フィルのデビューを飾るというので、YouTubeでリハーサルの様子が公開されていないかと検索していたら、今は亡きムジカ・アンティクァ・ケルン(MAK)が1999年に演奏したフィリップ・ハインリヒ・エルレバッハ(Philipp Heinrich Erlebach, 1657-1714)の「序曲第4番 ニ短調」を発見。

 冒頭で奏される付点音符のスタッカートのキレの良さに痺れる。「力強さ」が音楽の中にすり込まれてる。くにバロでリュリを演奏している時もこんな感じになりたいものだと思いながら何回か聴いた。たとえば、同じ作品をベルリン古楽アカデミー(Akademie für Alte Musik)が演奏するとこうなる。MAKとは対照的に冒頭の序曲をなめらかで、もの悲しく演奏する一方、それに続く舞曲に打楽器を加えることで、くっきりとしたコントラストを描く。8分4秒から始まるブレ(Air Bourrée)なんか、別の曲みたいに聴こえてくる。

 ちなみに、MAKの同じコンサートから、クッサー(Johann Sigismund Kusser, 1660-1727)とコベルク(Johann Anton Coberg, 1650-1708)の作品も発見。フランス音楽に影響を受けたドイツの作曲家たちの組曲を中心としたコンサートだったのかもしれないな。