バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ゲーベルのベルリン・フィル・デビュー

 ラインハルト・ゲーベルのベルリン・フィルへのデビューが無事終わったらしく、デジタル・コンサートホールのヴィデオがリハーサルから本番の演奏会に差し替えられていた。

 このヴィデオだと「さわり」しか観ることができないのだが、ジャン=フェリ・ルベル(Jean-Féry Rebel, 1666-1747)の「四大元素 Les Elémens」をコントラバス6本というバロック音楽としては巨大な編成で演奏しているのがおもしろい。それもベルリン・フィルで。

 これまでベルリン・フィルへ客演した古楽系指揮者がバロック音楽を演奏する様子をいくつか観てきたが、例えばトン・コープマンなんかは、J.S.バッハ管弦楽組曲第3番」をコントラバス2本という小編成で演奏している。

アンドレア・マルコンのヴィヴァルディ・プログラムもコントラバス2本。

ジョヴァンニ・アントニーニJ.S.バッハ管弦楽組曲第1番」の時はコントラバス2本で演奏。ただし、彼の場合はヴァイオリンを両翼配置にしたので、コントラバスの位置は左手奥。

エマニュエル・アイムのヘンデル/ラモー・プログラムの場合は、ヘンデルコントラバス2本、ラモーは管楽器と打楽器が増えるからか3本というスケール。

ちなみに、ゲーベルは「四大元素」をムジカ・アンティクヮ・ケルンのCDではコントラバス2本で演奏していた。

 発電設備がなくPAの存在しないバロック音楽の時代には、演奏会場の大きさに合わせた音量をだすために、弦楽器の人数を増やすか、管楽器で補強していた。音楽の内容によって大編成が似合わない作品もあるだろうが、ゲーベルの実践は、現代のコンサートホールでモダン・オーケストラがバロック音楽を演奏する際の、極めて興味深い一例と言えるだろう。