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バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 YouTubeに聴くコレッリの合奏協奏曲 - オノフリがちりばめる装飾の煌めき

 エンリコ・オノフリ(Enrico Onofri, 1967- )といえば、イル・ジャルディーノ・アルモニココンサートマスターとしての姿がまず思い浮かぶが、日本版公式サイトのプロフィールによると、ジョルディ・サヴァールJordi Savall, 1941- )とも古くからのつきあいがあったようだ。
 そのオノフリが、サヴァールのアンサンブル「ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations)」とコレッリ「合奏協奏曲ニ長調 Op.6-4」で共演しているヴィデオを発見。オノフリを中心とするコンチェルティーノのプレイヤーたちが作品に豊かな装飾を施していて、聴く者の耳をそばだたせる。

 ヴィデオを観ていると、ヴァイオリン同士の自由なやりとりの中に少しだけチェロも参加している。第2楽章のコンチェルティーノの装飾が次第に饒舌になっていき、最後にセカンド・ヴァイオリン、チェロ、ファースト・ヴァイオリンの順で一言ずつ受け渡していくあたりは、今そこで音楽が生まれつつあることを実感できる貴重な瞬間の連続。まさに「バロック音楽ばんざい」という感じ。リーダーのサヴァールはというと、アンサンブルをまとめながらその様子を暖かく見守っていて、その姿がなんとも微笑ましく映る。コレッリヴィオラ・ダ・ガンバを弾きながら指揮をするというのは、ちょっと珍しいのではないかな。
 ちなみに、装飾を入れないで演奏するとこんな感じ。これはイ・ムジチの演奏だけど、音楽の造形に焦点を当てて精度が高く、素晴らしい内容だと思う。

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