バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 フランク「ヴァイオリン・ソナタ」をオーケストラ伴奏で

 「フランクのそーなたー、フランクのそーなたー。いいね〜、いいわ〜、ティボーとコールトー。おしゃれーな、おしゃれーな、ティボーとコールトー。」というメロディーで始まるセザール・フランクの「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」。そのピアノ・パートをオーケストラ用に編曲し、ヴァイオリン協奏曲になっている版があるというので早速聴いてみた。

 第2楽章のアレグロにサックスが入っていて、音の動きが明確になるところがナイスだと思ったが、それよりも第1楽章が後期ロマン派色濃厚になっているのが興味深かった。ここまでテュッティの響きをねっとりさせられるなら、ヴァイオリン協奏曲ではなく、全編をドロドロ系のマーラーっぽい交響曲に仕立て上げてもよかったんじゃないか。
 それはともかく、第4楽章冒頭のテーマがようやくまともな主従関係で聴こえるようになったのがうれしい。第4楽章のテーマは、まず伴奏ピアノによって奏でられ、独奏ヴァイオリン・パートはその後から追いかけて来るはずなのだが、たいていの場合ヴァイオリンがソロっぽい弾き方をするので、どっちが主で、どっちが従だかわからなくなることが多かった。オーケストラがテーマを奏でることで先行するテーマの重量感が増し、主従関係がはっきりするようになったのがありがたい。もっとも、第4楽章のオーケストラの響きはフォルテになると突然カリンニコフの交響曲のようになってしまい国籍がわからなくなるので、そのあたりはなんとかして欲しかったぞ。それにしても、編曲者は一体誰なんだ?