バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 ArParlaが奏でるムファット「ヴァイオリン・ソナタ」の響き

 ゲオルク・ムファット(ムッファト)(Georg Muffat, 1653-1704)のヴァイオリン・ソナタは、彼の作品の中で、唯一自筆譜が残されているものなのだそうだ。冒頭のテーマが最後に戻ってくる“アーチ型”とも言えるその構成は「調和の霊感」のパッサガーリャと同じで、聴き手に忘れがたい印象を与える。

 「二度目に演奏する際には適切な装飾を加えるべし」というバロック音楽の流儀に則った演奏をYouTubeで発見。音の数は多いけど、「音を鏤めてキラキラに装飾してみました」というのではなく、「作品の内容をより詳しく語ったらこうなった」という感じなっているのが素晴らしい。

 伴奏はハープのみと極めてシンプルだが、ただ和音を補充するのではなく、常にヴァイオリンとともに何かを語りかけている。つま弾かれるハープの音がヴァイオリンの響きにまとわりつくようにして光を放つ光景が、ヴィデオからもよく伝わってくるのではないかな。演奏しているのは Arparla 。ヴァイオリンのダヴィデ・モンティ(Davide Monti)氏とハープのマリア・クリスティーナ・クリアリー(Maria Christina Cleary)女史の二人。