バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 くにたちバロックアンサンブル第11回演奏会を終えて

 先週の土曜日、2014年6月21日に三鷹市芸術文化センター「風のホール」で「くにたちバロックアンサンブル第11回演奏会」を開催しました。梅雨だというのに天候が崩れることもなく、これまでで一番多くのお客様(たぶん250名くらい)にご来場いただきました。本当にありがたいことで、この場を借りて御礼申し上げます。
 最近は演奏が終わると団員と一緒にロビーに出てご挨拶をすることが恒例となっていますが、今回はずいぶんたくさんのお客様がアンケートにご記入いただいていて、少しびっくりしました。回収したアンケート用紙は107枚だったとのことで、回収率43パーセントくらいでしょうかね。打ち上げまでの時間に50枚ほど読ませて頂きましたが、なんとなく「ヘレンダールの名前がずいぶん浸透してきたな」という印象を持ちました。たぶん、日本で一番ヘレンダールの作品の生演奏に触れているのは、三鷹市の方々だと思います。ええ、間違いなくそうだと思いますよ。
 というわけで、演奏会当日のスピーチ原稿を記録としてここに掲載しておきます。

【リュリの演奏後に】
 本日はお忙しい中、私共くにたちバロックアンサンブルの演奏会にお越し頂きありがとうございました。
 今日の演奏会では、17世紀の作曲家リュリとパーセルの舞台音楽の間に18世紀に活躍した作曲家、ヘレンダールとヴィヴァルディの合奏協奏曲を挟むようなプログラムを組んでみました。いつもより盛りだくさんな内容になっていますので、最後までごゆっくりお楽しみ頂ければと思います。
 

【ヘレンダール】
 さて、次に演奏するヘレンダールの「合奏協奏曲」ですが、2010年から毎年1曲ずつ演奏して今年が5曲目となります。昨年は4分の6拍子、つまり3拍子系の行進曲という少し変わった曲で締めくくられる第3番を演奏しましたが、これから演奏する第5番も最後の楽章が行進曲となっています。5番の行進曲は普通の2拍子ですがとても堂々として、立派な品格を備えています。一方でこの合奏協奏曲の始まり、つまり第1楽章は、ゆったりしていてやさしく何かを語りかけるような音楽となっています。
 では、その間はどのようにつながれていくのか?ぜひそんなところもポイントにして聴いていただければと思います。
 それでは、チューニングの後にヘレンダールの合奏協奏曲作品3の5を演奏いたします。
 

★休憩★
 

【ヴィヴァルディ】
 休憩も無事終わったようなので、後半のプログラムに移らせて頂きたいと思います。
 後半の1曲目としてヴィヴァルディ「調和の霊感」から第2番を演奏いたします。これはちょっと面白い作品で、第1楽章に「スピカートで」という演奏上の指示がついています。スピカートというのは弓を跳ねさせて演奏するという弾き方です。ヴィヴァルディはたまに具体的な演奏方法を楽譜に書くことがあるのですが、今日はその「スピカート」を「風のホール」の会場の大きさにあわせて少し工夫するようなやり方で演奏してみたいと思っています。
 それでは、チューニングの後にヴィヴァルディ「調和の霊感」作品3から第2番を演奏いたします。
 

パーセル
 さて、コンサートも大詰めとなってまいりました。本日最後に演奏するのは17世紀イギリスの作曲家、ヘンリー・パーセルセミ・オペラ「アーサー王」からの組曲です。
 「アーサー王」の音楽というのはとてもバラエティに富んでいて、パーセルらしいメロディーの綺麗な曲はもちろんのこと、ホーンパイプに代表されるイギリスの舞曲、リュリのようなフランス風の音楽、そしてパーセルよりひと世代前のイタリア風の音楽など、様々なスタイルの音楽がてんこ盛りのようになっています。
 今日は特にこのイタリア音楽っぽい第5曲目で、くにたちバロックアンサンブルでは初めてとなるトランペットの方々と共演させていただけることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、今回は「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」をお借りすることもでき、この5曲目のシンフォニーでチェロやコントラバスと一緒に演奏したいと思っています。
 それから、7曲目の「霜の踊り」、冬の凍てつくような寒さのなかでのフローズン・ダンスでは、ちょっと変わったことをやっているので、楽しみにしていて下さい。
 それでは、チューニングの後にパーセルセミ・オペラ「アーサー王」からの組曲を演奏いたします。

くにバロ第11回演奏会ポスター