バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 フライブルク・バロック・オーケストラが奏でるコレッリ「クリスマス協奏曲」の響き

 今日から3連休。くにバロの練習で使うヘレンダールのパート譜の準備というのが連休中の宿題だ。18世紀に出版されたパート譜には小節数が振られていないので、まずはその書き込み。それからスコアと照合して間違い探しなどをしながら、フレージングなどを書き込む。どれもけっこう手間がかかる作業なのだけど、楽譜を配る前にしておくかどうかで、練習効率も変わってくるからがんばってやる。
 とかいいながら、“気分転換で”YouTubeを観てたら、フライブルクバロック・オーケストラ(FBO)がコレッリ「合奏協奏曲 ト短調 Op.6-8」いわゆる「クリスマス協奏曲」を演奏しているヴィデオを発見。アグレッシヴな演出を無理矢理施すことなく、丁寧な感じに仕上がっているのが素晴らしい。

 最終楽章のパストラールは、最近では珍しい遅めのテンポで静かに演奏されている。通奏低音で使われているオルガンとリュートがコンチェルティーノを暖かくまとめ上げていて、揺り籠に揺られる子供を静かに寝かしつけるように終わる頃には、こちらの荒れた心の中もずいぶんと落ち着いてくる。魂が静謐(せいひつ)な状態に至るとは、まさにバロック音楽のあるべき姿を理想的に実現していると言えるのではないかな。コレッリやヴィヴァルディの器楽作品を演奏する際、「極端」だったり「挑発的」なものを追い被せるような流行があったけれども、FBOのように、作品の中にあるものを聴き手の心の中へ染み渡らせるような演奏が増えることを願わずにはいられない。