バシッといこうぜぃ blog

バロック音楽や弦楽合奏曲を中心にいろいろ。

 エミリー・オータムが奏でるロナーティ「チャッコーナ」の響き

 ゴスロリ・ファッションでエレクトリック・ヴァイオリンを弾きまくっているのは、先週フェイスブックで話題になってたエミリー・オータム(Emilie Autumn)J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」のアルマンドで始め、バロック風のモチーフをちりばめながらヴィヴァルディっぽく終わるパラフレーズは、高度なテクニックでヴァイオリンが唸りを上げ、緊張の糸が途切れることがない。これはすごいぞ。

 YouTubeを探したら、バロックの作品をオリジナルな形で演奏しているのがあった。たとえば、このカルロ・アンブロジオ・ロナーティ(Carlo Ambrogio Lonati, 1645-1715)のチャコーナ。1997年のライヴ・レコーディングとのことだが、バロック・ヴァイオリンを片手にメリハリの効いた情熱的な演奏を繰り広げる。ちなみに作曲者ロナーティは、コレッリに師事する前のジェミニアーニのヴァイオリンの師。

 感心したのは、無駄にアグレッシブな感じを気取って、極端に走ることがないところ。だから、表現の幅が広いにもかかわらず、バロック音楽のスタイルを逸脱しているようには決して聴こえない。そして彼女のヴァイオリンの音からは、彼女自身の声や生き様が聴こえてくるような気がする。私たちは、こういうバロック・プレイヤーを待っていたのではないのか。
 ネットを探すとエミリー女史がバロック・ヴァイオリンを弾いている様子を写した画像があった。それによると、弓は山形に反ったバロック・ボウ、顎当てはないようだが、肩当てを使っているように見える。

 というわけで、ロナーティのほかにもコレッリオルティスなどの作品が収録されてる“Laced/Unlaced”というCDを買ってしまった。まあ、その全曲はYouTubeで聴くこともできるのではあったのだけれど。
   Laced / Unlaced